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実力トップが返り咲く再登板人事の意味

今年も企業のトップ交代の季節が訪れた。世界経済に不透明さが増し、経営への不確実性も高まり、人心一新による経営変革を狙ったサプライズ人事も十分予想される。

その最中、セブン&アイ・ホールディングの祖業である総合スーパー、イトーヨーカ堂は、年明け早々の1月8日付で戸井和久社長兼最高執行責任者(COO)が辞任し、後任に前社長の亀井淳顧問を起用する異例のトップ交代に踏み切った。セブン&アイの鈴木敏文会長も手を焼く、構造不況に陥った総合スーパー事業の立て直しと、戸井氏の電撃辞任という非常事態に背水の陣を敷いた。

経営の第一線から退いた実力トップが返り咲く再登板人事は、キヤノンの御手洗冨士夫会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)とヤマダ電機の山田昇社長兼CEOが代表的な例だ。しかし、両氏は1月末、ヨーカ堂と対照的に、第一線を退き、社長職の禅譲を決断した。いわば、有事の経営から平時に戻す意味合いがある。一方で、期せずしてタイミングが重なった3社の人事は、再登板人事に対する関心を再び高めそうだ。

ヨーカ堂の場合、セブン&アイの株式を保有する、「物言う株主」で知られる米投資ファンド、サード・ポイントがグループからヨーカ堂の分離を突きつけるなど、セブン&アイは不振から抜け出せない総合スーパー事業の立て直しを迫られている。昨年9月に不採算店を中心に、今後5年間で店舗総数の2割に当たる約40店舗を閉鎖する方針を表明しており、亀井氏の返り咲き人事で、ヨーカ堂の事業変革を加速するとみられる。

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