2016年2月1日(月)

「手を前に組んでお辞儀」はなぜマナー違反なのか

小笠原流の教え【1】

PRESIDENT BOOKS /PRESIDENT Online スペシャル

著者
小笠原 清忠 おがさわら・きよただ
小笠原流礼法三十一世宗家

小笠原 清忠1943年小笠原流三十世宗家・小笠原清信の長男として東京・神田に生まれる。慶應義塾大学商学部卒業後、医療金融公庫(現・独立行政法人福祉医療機構)勤務。1992年小笠原流三十一世宗家を継承。現在、池坊学園客員教授、皇學館大学特別招聘教授、東京都学生弓道連盟会長、儀礼文化学会常務理事などを務める。全国で礼法指導を行い、各地の神社で「流鏑馬」や「大的式」「人生の通過儀礼」などを奉納。『入門小笠原流礼法』『小笠原流の伝書を読む』など著書多数。

小笠原流三十一世宗家 小笠原清忠=文

立つときやそこからお辞儀をするとき、手を体の前で組みなさいと教えられたことはありませんか?

『一流の人はなぜ姿勢が美しいのか』(小笠原清忠著・プレジデント社)

現代マナーの指導でよく見受けられますが、これは間違いです。

手を前で組むと、肩が前に出て胸がすぼまります。腕を自然に垂らせば、胸も自然に開くのですが、これだとそうはなりません。手を前に組むことで謙虚さを表し、つつましく見えると思われているようですが、逆に妙にへりくだった態度にも映ります。手を組むのは、そもそも不安感から逃れて安堵を得ようとする動作で、緊張感や集中力を薄れさせるものです。

最近の秘書検定でも女性の場合は、手を胸の下あたりで組むようになっているようですが、どうでしょう。謙虚というより、むしろ横柄な印象を受けないでしょうか。諸外国の要人や皇族方で、立つときやお辞儀をするときに手を組んでおられる方はいらっしゃいません。人間の腕は、体の横についているのですから、自然に垂らせば体の前で手を組めるはずがないのです。

このような自然な動きに反し、心の通わない体構えで人と接するのは、本来は失礼にあたることなのです。

※本連載は書籍『一流の人はなぜ姿勢が美しいのか』(小笠原清忠著)からの抜粋です。

『一流の人はなぜ姿勢が美しいのか 』(プレジデント社)
一流の人はなぜ姿勢が美しいのか

[著] 小笠原 清忠  

「立つ」「座る」「歩く」「食べる」――体を真っすぐにするだけで、人生と仕事が変わる!

  • Amazonで購入
  • PRESIDENTオンラインストアで購入
書籍詳細ページ

PickUp