2016年1月15日(金)

「管理職ヤダ」女子社員 裏切りか? やむなしか?

人事の目で読み解く企業ニュース【38】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
溝上 憲文 みぞうえ・のりふみ
ジャーナリスト

溝上 憲文1958年鹿児島県生まれ。ジャーナリスト。明治大学政治経済学部政治学科卒。月刊誌、週刊誌記者などを経て、独立。新聞、雑誌などで経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。『非情の常時リストラ』(文春新書)で2013年度日本労働ペンクラブ賞受賞。主な著書に『隣りの成果主義』『超・学歴社会』『「いらない社員」はこう決まる』『「日本一の村」を超優良会社に変えた男』『マタニティハラスメント』『辞めたくても、辞められない!』『2016年 残業代がゼロになる』など。近著に『人事部はここを見ている!』(プレジデント社刊)がある。

執筆記事一覧

溝上憲文=文
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出産も出世もできる環境だが、女性は「管理職ヤダ」

安倍政権は1億総活躍社会を推進するために、希望出生率1.8と女性の就業継続による活躍の同時実現を目指すと豪語している。

そして、その障害となるマタニティーハラスメント(マタハラ)の防止策を企業に義務づける男女雇用機会均等法と育児・介護休業法の改正案を今国会に提出する。

改正されると、マタハラに関する社員研修の実施や上司や同僚のマタハラ発言を告発する相談窓口の設置、就業規則による罰則規程の導入などが盛り込まれる予定だ。何もしなければ違反企業として社名の公表も予定されている。

一連の女性関連法の法改正の実務を担っているのが企業の人事部だが、その負担と制度設計に頭を痛めている人事担当者も少なくない。

住宅販売会社の人事課長は頭を抱えている。

「すでにセクハラ等の相談窓口は設置しているが、マタハラの相談はほとんどなく、マタハラといってもピントこない社員がまだ多いのだろう。マタハラ規制が強化されても、どんな言動がマタハラに当たるのか、まだ基準があるわけではない。曖昧なままだと管理職を含めて職場が混乱するかもしれない」

それにもまして人事部にとって頭の痛い課題は、今年4月1日に施行される女性活躍推進法の対策だ。昨年8月に国会で成立。政府目標である「2020年に指導的地位に占める女性の割合30%」の達成を後押しする施策の1つだ。同法によって、労働者301人以上の企業は4月1日までに女性の活躍推進に向けた行動計画を策定しなければならない(300人以下は努力義務)。

具体的には、

(1)自社の女性活躍に関する状況・課題分析
(2)それを踏まえた行動計画の策定、社内周知、公表
(3)行動計画の都道府県労働局への届出
(4)女性の活躍に関する状況の情報の公表
――の4つが義務づけられる。

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