入社当初は管理職になりたい女性も多いが……

女性活躍に関する状況把握には女性採用比率、勤続年数男女差、労働時間の状況、女性管理職比率などが含まれる。さらに行動計画には目指すべき女性管理職比率など数値目標をどれか1つを定めなければならない。

取り組みを促進するため、行動計画の策定・届出を行った企業のうち、取組実施状況等が優良な企業に対する認定も実施する。認定企業については公共入札での加点も検討されている。

数値目標を達成しなくても罰則はないが、次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみんマーク」と同様に認定取得によって他社との差別化を図る企業も出てくるだろう。くるみんマークは子育てと仕事を両立できる企業としてリクルート効果もあるとされる。

取得するために男性社員の育児休業の取得を奨励する動きもあったが、同じように女性活躍認定マークを取得するために、女性の管理職登用に拍車がかかることを政府は期待している。

しかし、女性の管理職を増やすのは簡単ではない。

管理職に育成するには、まず一定採用数を確保し、入社後の教育や仕事の与え方を通じた地道な育成努力と長い時間をかけて達成されるものだ。電機メーカーの人事部長はこう打ち明ける。

「管理職の前に4つの等級があり、それぞれ4年の滞留期間を設けている。したがって課長になるのは38歳。トップに女性を早く管理職にする仕組みを作れと言われているが、さすがに飛び級の仕組みを作るわけにはいかない。等級ごとにマネジメント能力の資質を見極めて、能力を磨いていくことになる。しかし、今は最短の滞留年数を設けて11年で課長になれるようにした。とくに女性の場合は、管理職になりたいという志向の醸成も不可欠であり、課長に昇進させるのはハードルが高い」

実際に多くの企業が女性管理職を増やすために懸命に努力している。だが、それに水を差す調査結果もある。日本生産性本部が2015年の春に実施した新入社員教育プログラムの参加者を対象としたアンケート調査では、

「管理職になりたい」と回答した女性社員は53.5%。逆になりたいとは思わない女性は46.5%だった。なりたい女性が5割を超えるのは比較的高い数字だろう。研修参加期間が3月下旬~4月と入社間もない時期であり、研修費用も2日間で3万円超と、送り出す会社の期待を背負っていることも背景にはあるだろう。