ペット保険の契約件数が急増している。富士経済の調べによると、2015年には105万8000件に到達する見込みだ。11年からの4年間で72%増えている計算になる。

ペット保険契約件数

ペット保険を販売しているアクサ損害保険エージェント&バンク営業部の砂子弘部長は「ペットの家族化と健康意識の向上、ペット医療費の情報浸透などが加入件数の増加に繋がっています」と話す。「ペットの高齢化が進み、おかしな症状があれば動物病院へ行くという人が増えています。ペットは自由診療のため、医療費は飼い主の全額負担。そこで、もしもの際の治療費に備えて保険に加入する意識が高まっているようです」(砂子氏)。犬の骨折で10万~50万円、糖尿病では月2万~3万円かかるといったケースがあるようだ。

アクサ損害保険の商品では、動物病院での治療費の70%を補償する保険に、0~2歳のペットを加入させる顧客が増えているという。

ペット保険の契約件数が増えている一方で、新規飼育頭数は伸びていない。砂子氏は今後の保険について「飼い主のニーズが多様化しており、高度医療化に伴う治療費の上昇や、ペットの高齢化、飼い主の高齢化も進んでいます。飼い主目線での商品・情報提供も含めたサービスが必要だと考えています」と語る。

(大橋昭一=図版作成)
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