2015年10月19日(月)

アイデア湧き出るアップル流「シンプル」オフィスレイアウト

世界トップ企業で働く社員の「能率100倍」教室

PRESIDENT 2014年9月29日号

元・米アップル社シニアマネジャー 松井 博 構成=岩辺みどり
1
nextpage
初めて使う人でも直感的に使えるシンプルなデザインが特徴のアップル社製品。最小限の操作ボタンから広がる無限の可能性。いまやアップルの象徴ともいえるシンプル志向が生まれた職場環境を探る。

Q: 片付けで生産性が上がるのでしょうか?

人間のマインドは環境の影響を受けやすいので、職場環境は社員の士気や会社への貢献に直結します。スティーブ・ジョブズもCEOに就任後、最初に行ったことは職場環境やプロジェクトを整理して必要なものだけに絞り込んでいくことでした。

私がアップル社に入った1990年代は、市場シェアが急激に落ち、次々に出す製品もバグだらけでマックの返品率は10%を超えていた時期でした。一時期は300以上あった社内プロジェクトはあちこちで立ち上がったまま誰も行方を把握できず、機密事項は漏れっぱなし。離職率も非常に高かった。職場では床に機材が散乱し、試作機がなくなることも日常。こんな環境では効率的に仕事ができるわけがありません。

物も人も、必要な量、必要な場所がきちんと把握できていなければ、無駄なのです。整理整頓はその第一歩。現在あるものがいかに使われ、必要か否か見極められれば、省くものも自然と見えてきます。いまはやりの“断捨離”ですね。

実際、96年にCEOに就任したギルバート・アメリオが真っ先に手を付けたのは不採算部門の清算。2年で約7000人を解雇し、350のプロジェクトを50に減らしました。社内の整理整頓からスタートしたのです。そして、次のジョブズは、そのプロジェクトを10にまで絞ったことで、社内の組織も方向性も1つにまとまって行動でき、成功を収めたのです。

PickUp