1番重要なのは「宿題事項」

▼例題にチャレンジ
Q. あなたは外食業界の店舗統括マネージャーです。連日、店舗運営担当や全国の店長との会議を掛け持ちでこなします。議事録作成は部下の役割ですが、完成までに時間がかかってしまうこともしばしば。電話会議も多く、意見が対立して物事が決まらないこともよくあります。効率よく会議を運営、進行するにはどうしたらいいでしょうか。

グーグルの会議は独特だ。30分を1単位とし、会議を進めながらその場で簡易な議事録を作成する。議事録は出席者の1人が日付、参加者、議題、合意事項、宿題事項といった項目をクラウド上の文書に書き出していき、必要があれば他の出席者がこれに加筆する。使用するのはクラウド上で文書作成・管理ができる「グーグルドライブ」のドキュメントだ。

特にエンジニアの会議は、1単位30分を徹底。だが、営業やマーケティング部門の場合、関連部署との確認事項も多く、30分で終わらないこともある。

「でも、1時間ミーティングの時間を取ろうと思っても取れない。社員が使っているグーグルカレンダーは、最大50分単位でしか予定を入れられない設定なんです」(セントジョン古畑さん)

1時間ではなく50分なのは、移動および準備時間を10分みて、その分をあらかじめ差し引いてあるからだ。50分の会議のあとは10分インターバルを挟んで、すぐに次の50分に集中するという効果もある。

古畑さんによれば「取引先との会議は別として、少なくとも社内会議では、誰がどう発言したかまで記録する詳細な議事録をとったり、その後印刷して全社に配ったりということはしていません」。なぜなら「時間がもったいないから」だ。

事実、グーグルの会議では議事録の体裁はごくシンプルだ。ほとんどの場合、A4用紙に相当する「ドライブ」の文書1ページだけで事足りる。

会議の進行にあたっては、司会進行と書記、タイムキーパーなどの役割を決めておく。1回きりの会議は別として、定期的に開く場合は役割を固定化せずに参加者の持ち回りにするという。メンバー全員に参加者意識を持たせるためだ。

「その日の主題に大きく関わる人が司会進行を務め、あわせて書記をすることが多いのですが、ときにはルーレットで役割を決めることもありますよ。そのほうが楽しいから(笑)」

グーグルの会議で一番重要なのは、次の行動につながる宿題事項(アクションアイテム=AI)だ。

「ミーティングの最後には必ず『じゃあ、AI!』と呼びかけて確認をとります。誰が何をいつまでにどうするか、それを決めるのが会議ですから」