根来香里さんはグーグルのシニアマーケティングマネージャー。「グーグル+」や「グーグルマップ」といった主力サービスのマーケティングを担当する。プロジェクトのまとめ役として、社内外のさまざまな職種の人たちといくつものミーティングをこなすのが日課である。

「平日の昼間はほとんどミーティング(笑)。普通の人に比べたら圧倒的にミーティングの数は多いと思います」と根来さん。

▼例題にチャレンジ
Q. あなたはITシステム会社の営業マンです。現在、同じ部署の上司、部下とともに新プロジェクトを立ち上げたばかり。外回りの合間に、連日のように社内打ち 合わせが入ります。プライベートでは、1歳の子供の保育園の送迎を突然頼まれることも。ミスなく、効率的にスケジュール管理をするためにはどうすればいい でしょうか。

根来さんの1週間の予定を、クラウド上でスケジュール管理ができる「グーグルカレンダー」で見せてもらった。ミーティングなどで予定はびっしり。仕事相手の人たちもたいてい別のプロジェクトを抱えており、ミーティングなどのスケジュール調整は大変そうだ。そのときに重宝しているのが「カレンダー」の共有機能だ。

関係者の「カレンダー」を共有しておき、主催者(この場合は根来さん)が参加してほしいメンバーの空き時間を見つけ、それぞれに「インビテーション」をメールで送信する。受け取ったメンバーが同意するとミーティングの時間が確定する。

それができるのは、全員がスケジュールをオープンにしているからだ。グーグルには「情報はできるだけ共有したほうが仕事をしやすい」という共通認識がある。ただし、実際の予定ははっきりしたものばかりとは限らない。たとえば、確定していなくても何らかのアポが入りそうな時間や、事務作業を進めるために確保しておきたい時間がある。また、グローバル企業のグーグルは海外拠点とのテレビ会議も盛んだが、時差のある相手から早朝や夜間にテレビ会議の「インビテーション」が届き、対応できないケースもある。

そのため、2歳の娘を子育て中のセントジョン古畑美樹さん(広告営業本部 広告代理店ビジネスマネージメント統括部長)は、保育園への送り迎え時間など予定をあらかじめブロックしておくという。セントジョン古畑さんの「カレンダー」にはその部分が「DNS(Do Not Schedule)」と表示されるが、送り迎えに限らず予定が入りそうな場合は、詳細を示さないまま時間をブロックしておくことができるのだ。

しかし、そうなるとスケジュール調整はますます難しい。たとえば「この上役に前の予定を15分だけずらしてもらえれば会議ができる」ということも珍しくない。そんなとき、根来さんはためらわず上役の執務室へ走る。そして「アシスタントに事情を話し、可能なときは予定をずらしてもらいます」。

それには日頃のコミュニケーションがものをいう。当然ながら、Web上だけではなく、リアルな人間関係を築いておくことが大切なのだ。