──翻訳家兼通訳のタカ大丸氏は、自宅を有償で貸し出す「民泊ホスト」の一人だ。法的グレー営業である現状について、氏はどう考えているのだろう。
昨年末から自宅兼事務所で「Airbnb」をはじめました。上野近辺の古民家で、1部屋を私の寝室に、残りの8畳と6畳の部屋を貸しています。そもそもの家賃は月12万円。それを、8畳は1泊40ドル(約5000円)、6畳は1泊30ドル(約3700円)で貸すのです。もっとも、1週間以上滞在すれば割引、直前になれば「叩き売り」もするのでこの価格はあくまで目安。とはいえ、今年の7月は8畳が26日、6畳が23日予約で埋まりました。平均してこれくらいかそれ以上なので、稼働率は悪くないでしょう。よく心配されますが、「とりっぱぐれ」もありません。「Airbnb」では、予約確定の時点でカード決済を行い、チェックイン翌日に手数料の3%を引いた金額がホスト(家主)の口座に振り込まれるシステムだからです。これにより、現在は家賃と光熱費、ジム月会費、交通費程度が「Airbnb」で賄えています。
この話をすると、必ず次の3つの質問を受けます。1つ目は、「カギはどうしているのか?」。私の場合は、自宅のポストでカギ(合鍵)の受け渡しを行い、滞在中はゲストに持たせておきます。そうすれば、彼らはいつでも自由に出入りすることができます。
そこで2つ目の質問の登場です。「見知らぬ外国人を家に入れて怖くないか。トラブルはないのか?」。簡潔にお答えすれば、深刻なトラブルは一度もなく、怖いと思ったこともありません。というのも、「Airbnb」にはレビュー機能があり、ゲストはホストが約束通りの部屋を用意したか、いい人だったかなどを書き込みます。反対に、ホストもゲストが夜静かだったか、禁煙のルールを守ったかなどを書き込みます。レビューで「過去」を確認して、素行が悪いとわかればホスト側から宿泊を断られてしまうので、そう悪いことをする人はいないはずです。