VW新型「パサート」を日本市場に投入

自動車世界大手、独フォルクスワーゲンの日本法人、フォルクスワーゲングループジャパンは7月14日、欧州Dセグメント(セダンモデルで全長4.7m前後)の乗用モデル「パサート」の第8世代モデルを日本市場に投入した。VWといえばCセグメントの「ゴルフ」やBセグメントの「ポロ」などが販売の主流だが、パサートはそれらよりも格上で、日本市場ではセダン/ステーションワゴンモデル中、トップモデルとなる。

フォルクスワーゲングループジャパンは乗用モデル「パサート」の第8世代モデルを日本市場に投入した。

パサートはドイツ本国では、きわめて手堅い王道モデルというイメージを持たれている。デザインは華美な装飾を持たない地味なもの。走りも徹底的な安定志向でエキセントリックさはないが、走行性能、とりわけサスペンションセッティングが絶妙で、市街地からアウトバーン、険しい山岳路まで、舗装路でありさえすれば路面を選ばず安定した走りと良好な乗り心地が維持されるというキャラクターを伝統的に保ち続けてきた。

EU市場では、クルマで目立とうとは思わないが1000km、2000km、あるいはそれ以上のロングドライブはバリバリこなすというユーザーや、クルマ選びで失敗したくないユーザーから絶大な支持を集めている。その信頼感の高さから、欧州ではノンプレミアムのミドルサイズ市場では鉄壁の強さを誇っており、とりわけ2014年夏のフルモデルチェンジ後は、オペルやフォード、プジョーなどのライバルが繰り出すモデルに対してダブルスコア以上の大差で首位を快走している。

ところがパサート、日本では存在感は決して高いとは言えない。前述のように日本におけるフォルクスワーゲンのメインストリームはCセグメントの「ゴルフ」やBセグメントの「ポロ」のようなコンパクトクラスであるうえ、Dセグメントの乗用モデルはそもそもあまり売れないという日本特有の市場特性もある。年平均およそ5000台という旧型パサートの販売台数は、その中では国産車も含めて健闘している部類に属するのだが、フォルクスワーゲングループジャパンは昨年欧州カーオブザイヤーを獲得した新型パサートの日本投入を機に、もっと上を狙いたいと考えているという。