大学生たちにとって4カ月「後ろ倒し」となった今年の就職活動。選考開始が遅くなり、学生や企業に混乱が広がっている。さらに、採用担当者には新たな悩みも出てきているという。新刊『人事部はここを見ている!』(溝上憲文著 プレジデント社)より、就活最前線で奮闘する採用担当者の新たな悩みを紹介しよう。

外国人留学生と比べると、なぜ見劣りするのか

ぜひ採用したいと思う男子学生が少なくなったという嘆きをよく聞きます。採用担当者に共通する理由は「内向き志向」「自分で決められない」「情熱・向上心のなさ」――の3つです。

自動車メーカーの採用担当者もこう言います。

「面接では海外に出て活躍したいです、と力説するのですが、よく聞くとパスポートを持ってないし、日本中を旅したという経験もない。ただ、キャンパスの中で友達とワイワイやっていたという学生が多いですね」

『人事部はここを見ている!』溝上憲文著(プレジデント社刊)

製薬会社の採用担当者もこう指摘します。

「スポーツでも勉強でもなんでもいい。自分がやりたいことに真剣に向き合い、苦労してやり遂げたという学生が少ないですね。たとえば『あなたの失敗した経験を聞かせてください』と言うと、『失敗したことはありません』と平然と答える学生もいます」

化粧品会社の採用担当者も「これまでの経験や活動について、なぜやろうと思ったのかと聞くと、先生が決めた、親が決めた、友達と決めてやったという答えが圧倒的に多い。自分で決めて何かをやったという学生が少ない」と嘆きます。

外国人留学生と比べると、明らかに見劣りがすると指摘するのは石油会社の採用担当者です。

「自分の学生の頃に比べてよく勉強しているし、真面目ですが、外国人に比べてハングリー精神や向上心の高さが全然違います。気迫というか、バイタリティやエネルギッシュさが根本的に欠けています」

5年先も見通せない経営環境の激変の時代に、突破力のある人材を求める企業と学生とのギャップが際立っています。

電機メーカーの採用担当者は「内定を出すから5日以内に返事をくれ、と言うと『他の会社も受けたいのでもうちょっと待ってくれませんか』と正直に答える学生が多い。普通なら内定をもらってから他社を受ければいいのにと思うのですが。ずる賢さがないというか、バカ正直というか、こんな学生ばかり入れて、韓国、中国の企業と渡り合えるのかと不安になる」と嘆きます。

※本連載は書籍『人事部はここを見ている!』(溝上憲文著)からの抜粋です。