高齢者を狙うニセ電話詐欺、いわゆるオレオレ詐欺や振り込め詐欺の被害総額は2014年、約559億円と過去最高に上った。これだけニュースで報じられ、警察が懸命に注意を促しているのにもかかわらず、被害が拡大し続けているのはなぜなのか。その理由を加害者の側から解き明かしてみせたのが本書『老人喰い』だ。

著者の鈴木大介氏は断言する。「どれほどに警察が彼らの撲滅に尽力してくれようとも、老人喰い(オレオレ詐欺や振り込め詐欺のこと=筆者注)はなくならない。これが彼ら犯罪の加害者取材をしてきた僕の、率直な感想だ」。

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