お葬式を出した人のうち3割は納得できずに悔やんでいる。原因は不明朗な業界慣行。そこに着目したのが流通大手のイオンだ。葬儀の新しい動きを紹介する。

※第1回はこちら(http://president.jp/articles/-/15446)

残る不満はお布施の値段

専門家は「イオンのお葬式」についてどう見ているのか。葬儀やお墓に関するコンサルティングを行う、日本エンディングサポート協会(JESS)理事長の佐々木悦子氏は「葬儀業者の選択肢の多い都市部では突出した存在とはいえない。逆に選択肢の限られる地方では、イオンブランドへの安心感があります。ただし地域の慣習にすべて対応できるかというと疑問です」と指摘する。

イオンに限らず、葬儀を実際に体験した人は、どんな意識を持っているのだろう。約400人への調査では、約3割が「過去の葬儀に納得していない」と答えており、不満内容の多くが「説明不足」「強引な運営」「追加請求」に集約されている。

以前は「30年に一度の体験」といわれた、身近な人の葬儀。だが高齢化時代で事情は大きく変わった。40代や50代で夫婦双方の両親が健在だと、数年のうちに何度も行う可能性もあれば、自分自身や配偶者へのリスクもある。行った後で後悔しないために、葬儀とどう向き合うかを考えてみよう。

佐々木氏は、最近の傾向をこう説明する。

「都市部では家族葬や直葬が圧倒的となりました。中年以下の世代は寺院への親密度も低く、直接お寺に頼む割合は減っています」

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葬儀社を選ぶとき重視する10のポイント

料金への不満は、「葬儀への支払い」と「寺院への支払い」に分けられる。「葬儀社を選ぶポイント」(図参照)にきちんと応えたサービスを行うイオンや小さなお葬式の人気が示すように、葬儀料金の不透明さは、ある程度改善されてきた。

ただし、葬儀関連の費用はこれだけでは収まらない。参列者へ提供する飲食や料理代は別に発生するからだ。現在は、葬儀当日に火葬場から戻って実施する「還骨法要」後に食事を行う場合が多い。法要後の飲食を「精進落とし」と呼ぶのは関東で、「おとき」「仕上げ」など地方によって呼び方は異なる。

返礼品でも費用が発生する。通夜の振る舞いの席に出ない人に渡す「通夜返礼品」、参列者に返す「会葬返礼品」、そして受け取った香典額に応じてお返しする「香典返し」がある。

さらに費用がかさむのが、寺院への支払いだ。「お布施の金額はいくら包めばいいのか」「戒名料はなぜこんなに高いのか」といった声も多い。「お布施」とは、葬儀で読経をしたり、故人に戒名をつけてくれた僧侶にお礼として渡す金銭だが、地域や寺院によって事情は異なり、相場はさまざまだ。伝統のある寺院ほど高い傾向にある。