2015年6月1日(月)

小泉進次郎の24時間拝見 -政界で歩くマナーの教科書と呼ばれる理由

PRESIDENT 2015年5月4日号

著者
常井 健一 とこい・けんいち
ノンフィクションライター

週刊誌記者として政治や働き方に関する特集記事を手掛け、独立。進次郎氏の演説や講演の取材は300回近くに及ぶ。著書に『小泉進次郎闘う言葉』『保守の肖像』などがある。

ジャーナリスト 常井健一 構成=青柳雄介 写真=時事通信フォト
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「日本には小泉進次郎がいる!」近い将来、日本のリーダーになるであろう政界の若きプリンス進次郎を300回近く密着取材した常井健一氏が解き明かす。

1 名刺交換 なぜ、毎回、同じやりとりを繰り返すか

世の注目を集め続ける小泉進次郎の魅力は、どこにあるのか。

政治の現場を取材する中で小泉進次郎に密着し彼の所作を丁寧に観察していると、ビジネスやマナーを考えるうえで学ぶところが多くあることに気づく。人の心をつかみ先を読む動き方、考え方が非常に参考になる。

小泉進次郎氏(写真=時事通信フォト)

政治家の世界、特に自民党という旧態依然とした組織の中では目立ちすぎると嫉妬が渦巻き、出る杭は打たれるのが常。それをうまく回避しながら、政界で圧倒的な存在感を示しているのが進次郎だ。

進次郎が最も大切にしているのは挨拶だ。与野党を問わず、また相手が議員でも秘書でも党職員であっても必ずしっかりと挨拶を交わす。これが彼の基本的な姿勢だ。立党60年目を迎えた老舗企業のような組織の自民党には、出世争いがあり損得計算が渦巻いている。その中で進次郎からは、相手の肩書に左右されず「若手と何かを成し遂げたい」「若手を励ましたい」という強固な意識が読み取れる。立場と年齢の上下が複雑に絡み合っている政治の世界で、一番目立たず立場の低い人の声を徹底してすくい上げようとする。

また、初対面の人と名刺を交換する際、一瞬立ち止まってまず相手の名前をしっかりと見る。そのうえで、「この苗字、珍しいですね。どちらの方ですか」「僕の名前(もしくは家族の名前)と似ていますね」というようなことを必ず言う。名前の話はまったく当たり障りがないし、言葉を2、3回交わすにはもってこいの話題だ。ずっと進次郎に密着していた私やメディアには毎回同じような光景を見せるわけだが、進次郎はまったく意に介さず愚直に「いつもの名刺交換」を繰り返す。初対面の相手への敬意を最大限に優先している証であろう。

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