誰が、何のためにつくったのか? なぜ、強いのか?

ISは台所事情が悪化、バグダーディ負傷で弱体化したとの情報も。(共同通信社、AP/アフロ=写真)

ISISという名前がマスコミに登場して、すでに2年近くが経過している。後にISILに改名し、次いでISへと変わっているが、ISISとはイラク・シリア・イスラム国家の略であり、ISILはイラク・レバント・イスラム国家の略であり、最後に登場したISは、ご存じの通りイスラム国家だ。もちろん、これら3つの名前は、同じ組織の名前が変わったにすぎない。ここでは混乱を避けるために、現在彼らが名乗るISに表記を統一する。

ISは2006年頃からイラクで活動を始めた。イラクのアルカーイダ組織が元だといわれているが、必ずしもそうではないと思えるフシがあるのだ。

イラクのアルカーイダ組織が、突然現れたイブラヒム・サマライ(後にアブーバクル・バグダーディと改名)によって指揮されたのがISだ。後にシリアに移動し、斬首を頻繁に行い、大量の敵の将兵を銃殺する蛮行に、対抗者たちは震え上がった。

ISはその彼ら自身の蛮行をインターネットやツイッター、フェイスブックなどを通じて世界中に効果的にばら撒き、一躍、向かうところ敵なしの存在に変貌。あっという間にシリアの一部とイラク北部を支配するに至っている。

そこで、まず考える必要があるのは、戦闘において必要なのは兵士であり、武器であり、そして大量の資金であるという大原則だ。ISはこれらをどうやって手に入れたのだろうか。当たり前だが、ネット上の宣伝だけでは成長などできない。ISは誰かがある目的を持って、資金と武器を提供していたと考えられる。