2015年3月10日(火)

個人情報保護法の改正でプライバシーを守れるか

PRESIDENT 2015年3月30日号

著者
山本 一郎 やまもと・いちろう
評論家

山本 一郎1973年生まれ。96年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わり、現在は株式会社データビークル取締役、東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員などを務める。『ネットビジネスの終わり』(Voice select)、『情報革命バブルの崩壊』(文春新書)など著書多数。

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評論家 山本一郎=答える人
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土壇場の見直しで「十分性認定」に弾み

個人情報保護法の施行から10年。ビッグデータ時代を迎え、さまざまなレベルで「個人情報」が意識されるようになりました。私たち一人ひとりの情報は、すでに目に見えない形で取得され、「利活用」という言葉のもとでやりとりされています。

必要な情報の流通は積極的に行っていくべきです。ところが日本には個人に関する情報の定義や利用についての統一的な枠組みがまだありません。現行法は進んだ情報技術に対応できておらず、曖昧なままでグレーゾーンが広がっています。

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個人情報保護法の改正案をめぐる争点

このため、政府は昨年6月、「パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱」をまとめ、これにもとづき、昨年12月には法改正の「骨子案」が示されました。ただ、この骨子案をめぐって、大きく2つの論点が問題視されました。

ひとつは「利用目的の制限緩和」です。これは企業などが取得した個人に関する情報の利用目的を、本人の同意なく事後に変更可能にするもので、ヤフージャパンやTSUTAYAを運営するCCCなど一部の企業が求める内容を経済産業省のある部門が骨子案に滑り込ませたとみられるものです。もうひとつは「個人情報」の定義の見直しです。現行法が「特定の個人を識別できるもの」に限定しているのに対し、骨子案では、身体の特徴(指紋や顔)や商品の符号(端末識別情報など)を加え、定義を広げる考えでした。

しかし、今年2月、政府が自由民主党に提示した改正案の「原案」では、この2点はいずれも見直され、「現行法のまま」となりました。消費者団体と経済界がそれぞれ譲歩したと報じられています。

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