消臭・脱臭機は大手メーカーも競い合う市場だが、横浜市に本社を置く片野工業は中小企業ながら小型で高性能の脱臭機を開発、大手医療機器メーカーのテルモから発売されて評価を得ている。同社の本業は輸送用コンテナの修理・改造だが、社長の片野明夫はエビ養殖に興味を持ったことから脱臭機開発にたどり着いた。

ドライバーに人気の高性能脱臭機

自動車特有の臭いは気になるものだ。特にタバコを吸ったり、車にペットを乗せる人にとっては、気軽に友人を乗せることもためらわれる。

片野明夫・片野工業社長。

2013年に発売された「エアーサクセスソーラー」はそんなドライバーたちに人気の高性能脱臭機である。大きさは約14センチ四方で高さが4センチという小型で、走行中はシガーソケットを電源に、駐車中はソーラーパネルで作動する。大手自動車ディーラーなどでも発売している。

その脱臭力は証明済みで、たくわんやタマネギの腐ったような臭いであるメチルメルカプタンが2時間で半減する。さらに、インフルエンザを不活化し、大腸菌・アオカビなどの除菌効果もある。しかも、独自に開発した技術によって、ファンもフィルターも使わない。そのため、静音でメンテナンスの手間・コストもかからず、省電力だ。

開発したのは片野工業。本業は輸送用コンテナの修理や改造および輸出梱包業務などを手がけている。そのため、横浜港の本牧ふ頭近くに本社を置いている。本業とかけ離れた脱臭機を世に送り出したのは創業者で社長の片野明夫(53歳)である。片野は当初、脱臭や消臭に関心があったわけでもなく、ましてやその道の専門家でもなければ、知識があるわけでもなかった。

実に不思議な奇縁の連鎖によって、運命の糸に導かれるように脱臭機開発に取り組むことになったのだ。

「脱臭機を開発しようとすると、社員は『すでに大手がやっているんだから』とあきらめムードでした。でも、やりもしないであきらめるのはおかしいでしょう。先ずはやってみることですよ」と片野は楽しげに語る。

このエアーサクセスソーラーは同社にとって第2弾の商品で、実は脱臭機第1号は2011年末に発売した「エアーサクセスプロ」である。エアーサクセスソーラーは車載用に改良したものだ。

以下は、断りのない限りエアーサクセスプロについての説明である。