誰もオフィスで仕事をしない

「仕事に集中したいときに行く場所はどこですか?」

そう聞かれたら、あなたはなんと答えるだろうか。多くの人は自宅の部屋、カフェや図書館、電車などの乗り物をあげ、中には「早朝か深夜、あるいは週末なら、どこでもいい」 と答える人もいるかもしれない。

『小さなチーム、大きな仕事』の著者ジェイソン・フリード氏は「オフィスと答える人はほぼゼロ」だとTEDで語った。なぜオフィスで仕事ができないのか――企業はオフィスと呼ばれる空間にお金をかけ、みんなにそこを利用させるにも関わらず、誰もそこで仕事をしないというのだ。

なぜ職場で仕事ができないのだろう? 原因は電話や同僚の呼びかけなどさまざまだが、最大の理由は「会議」と「上司」、略してM&M’s(マネージャー&ミーティング)だという。

まず「世の中にあふれるほどのマネージャーがいて、それぞれが『どうだ?』『どれくらい進んでる?』などと“仕事を確認する”という名の“邪魔”をしにくる」とフリード氏は語る。

なるほど、どなたも経験がおありだろう。それも、仕事がノッているタイミングの悪さで声をかけられ、さらには会議をするから今している事をやめろと言うかもしれない。みんなが集まって会議が開かれ、呼んだほうには大事でも、呼ばれたほうは迷惑なことに時間をとられた気分になる……これもよくあることかもしれない。

会議は今の仕事ではなく、今後実行すべきことについて話し合うものだ。会議のために、今の仕事が遅れることだってあるかもしれない。必要なのは、少なくとも建設的な意見を言えるだけの準備時間をとり、伝えたい内容を的確に伝え、互いの時間を無駄にしないように会議の目的を決めて果たすこと。最終的には、オフィスのみんなに「自由に静かに仕事ができる時間」を与えることだろう。

そのために、さまざまな企業が効果的かつ効率的に会議をする対策を行っている。そんな一部の例を見てみよう。