眠りは、脳の「ゴミ出し」を助ける

やっと冬が終わり「春が来た」と言える季節になった。この季節の仕事の敵は花粉症などのアレルギー。そして、眠気だ。暖かい気候の下で副交感神経が優位に働くことによる眠気もあれば、会議中のようにただ興味がなく脳が休憩しているタイプもある。もちろん、年度末という忙しさの中での寝不足や過労によるものも多いだろう。いずれにしても、仕事を効率よく片づけるためには、眠気は大敵だ。

ハフィントンポストの共同設立者で編集長のアリーナ・ハフィントンは、TEDで「大きなアイディアを解き放つもの、それは睡眠です」と、ジョークを交えて語っている。「目を閉じて、自分の中に絵を浮かべて、生産性と幸福度を上げるのです」と。

家族や友人との時間を大切にしながら仕事に全力を注ぐとなると、どうしても睡眠時間を削りがちになるだろう。特に睡眠不足は男らしさの誇示といった風潮も見られ、寝ていないことが超多忙かつ超生産的な印象を与えるようだ。実際には、睡眠不足は思考を鈍らせ、大切(かもしれない)会議で居眠りすら引き起こす可能性だってある。

ハフィントン氏は、男性とディナーをしたときのエピソードとして「夕べは4時間しか寝ていない」という男性に「つまり5時間寝ていたら、この食事はもっと盛り上がったということね」と喉まで出かかった、と笑いを取る。睡眠不足のリスクはこんなところにもみられるようだ。

米ロチェスター大学の調査研究で、脳は眠っている間だけ、有害なプロテインを神経細胞から除去する作業をすることが発見された。脳には栄養や老廃物を運ぶための独自の循環系があるが、睡眠時には脳細胞が約60%収縮するためにスペースが空き、脳脊髄液が流れやすくなる。これにより、老廃物を掻き出すいわば「ゴミ収集車」を通すために道を空けている状態が起きるという。ここで行われる脳の「ゴミ出し」が睡眠の基本的役割だ。睡眠が不十分では、「有能で多忙 → 睡眠不足 ≒ やがて効率低下」につながる可能性も高くなるわけだ。

実際、睡眠は私たちの仕事の効率にどのように関わってくるのだろう。睡眠に関する意識調査があるので見てみよう。