2015年2月6日(金)

免疫を強化してがんを治す遺伝子スイッチの可能性

ケリー・ターナー博士に聞く【2】

PRESIDENT Online スペシャル /PRESIDENT BOOKS

ジャーナリスト 大野和基=インタビュー・撮影
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統計的に見て余命がきわめて短いがん患者が治癒する事例が数多くあることをご存知だろうか。こうした事例を徹底調査した結果、がんが自然に治った人たちが実践している9つの習慣があることがわかった。そのことを報告した『がんが自然に治る生き方』は、発売と同時にアメリカでベストセラーとなり、日本でも邦訳が発売されて以来、アマゾンのがん部門で1位を独走している。著者のケリー・ターナー博士をニューヨークでジャーナリストの大野和基氏がインタビューした。全2回でお届けする。

――読者から多く問い合わせがあると思いますが、どうやって答えておられますか。

【ターナー】本を出してから毎日多くのメールが来ます。最初はそのすべてに返事を出していましたが、圧倒されて他のことができなくなってしまいました。幸いにもアシスタントが見つかり、彼女が読者からよく来る質問をまとめて、「よくある質問(FAQ)」としてウェブサイトに掲載してくれました。読者からくる質問のほとんどはそこに入っています。なかには医師を紹介してほしいというメールを送ってくる人もいますが、そういうときはいくつかのウェブサイトを紹介しています。読者から劇的寛解の事例を報告してもらったときには、わたしのウェブサイト(http://www.radicalremission.com/)に載せてほしいとお願いしています。毎週新しいケースがあります。統合医療を施す医師も紹介しています。

――読者は気にかけてほしいと思っていますからね。

【ターナー】その通りです。「もしあなたに劇的寛解が起きたら、あなたを研究対象にしたい。あなたを無視したくありません。わたしのウェブサイトにアクセスしてあなたのストーリーを教えてください」と本の最後にも書いています。わたしのウェブサイトでは誰でも劇的寛解のストーリーを読むことができます。今までこのようなウェブサイトはありませんでした。

――自分なりに精一杯取り組んでいるが成果がなかなか出ない患者さんに対するメッセージはありますか。

【ターナー】序章でも書きましたが、わたしはあくまでも研究者としてこの本を書きました。わたしがやっているのは探索研究(exploratory research)と呼ばれるものです。いまの科学で説明できない現象を探索する研究です。探索研究においては、まず共通性を探し出し、その共通性が仮説になります。

ですから、この本に書いた9つのことを実践してすぐには何の進展も見られなくても、「これは仮説である」ということを忘れないでください。このアプローチでがんが治癒することは証明されていませんが、確実にわかっているのは、この9つのアプローチが免疫システムを強化することです。

プラスになることはあってもマイナスになることはありません。免疫システムが強化されるとがんと戦う力も強くなります。ですから、まだ効果が出ていなくても、いろいろな方法で試し続けてください。本の中でインタビューした代替治療者(ヒーラー)の一人はわたしに「体から要求される変化が見つかるまで変化し続けなさい」と言いました。

英語には“tip the scales”(天秤を傾ける)という表現があります。「形勢が変わる」という意味ですが、そこまでやらないと効果は見られません。

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