2015年2月7日(土)

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認知症の要介護者には、どう向き合ったらいいのか

先日、友人から次のような話を聞きました。

友人のお父さんは80代半ば。身体に衰えはなく普通に日常生活を送れるため要介護認定は受けていませんが、認知症の症状が出始めています。そのお父さんから友人に電話が入ったそうです。「クルマが動かないから、見に来てくれ」と。

実家から数キロ離れたところに住む友人が駆けつけると、お父さんはクルマの運転席にいました。エンジンはかかっていて、「アクセルを踏んでも進まないんだ」といいます。なにやら焦げ臭いにおいがするので運転席を見ると、サイドブレーキが引かれたままになっている。

友人はすぐに察しました。「ボケて、サイドブレーキを解除することを忘れているんだ」と。それまでもワイパーの動かし方を忘れたりして「危なっかしいな」と感じていたようですが、「ついにここまでボケたか。こんな状態でクルマの運転なんかさせたらまずい」と思ったそうです。

とはいえ当人は頑固なうえ自分がボケているなどとは思っていないですから、サイドブレーキのことを教えたら運転しかねません。そこで友人は「オレが見てみるから、親父は部屋に戻ってて……」と言い、ボンネットを開けるなどしてチェックする振りをしばらくした後、お父さんにはこう告げたそうです。

「やっぱり故障だ。ディーラーに見てもらおう。もし修理代が高くつくなら、売るか廃車にするしかないな。親父もトシなんだし、これを機に運転をやめたらどうだ? どこかに行く用事があるなら、できるだけオレが運転して連れていくから」

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