「忘れた」と正直に言ってはダメ

「また、くだらないことを細かく覚えているもんだな……」

女性が思い出話を披露するたびに、そんな感想を持つ男性は多いと思います。でも気を付けてください。相手を見下した気持ちは顔色に出てしまいます。ことに女性相手では、それが命取りになるかもしれません。

パートナーと一緒に過ごして楽しかった思い出や、彼が語ってくれた将来の夢など、自分にとって大切な記憶についてはいつまでも忘れたくないのが女性の特徴です。事実だけではなく、そのときの状況や、話している彼の表情や口調まで記憶に刻んで、折にふれてそれを思い返し、楽しんでいます。

一方、男性のほうは、大まかな事実関係を覚えていても、勢いで言ったことや、自分をよく見せるための発言については、忘れてしまうことが多いのではないでしょうか。だからといって、正直に「そうだっけ? 忘れたなあ」と即答するのはやめてください。たとえ本当は忘れていても、「うん、あのときは楽しかったね」と、演技でもいいから合わせる努力をするべきです。

これは夫婦や恋人関係にある場合だけではなく、職場でも当てはまる法則です。職場でのちょっとした気遣いや特別にしてもらったことについてもよく覚えていて、意外なほどストレートに感謝の言葉を述べたりするものです。

「あのときは助けてくれてありがとう。本当にうれしかった。実は参っていたから」。こう言われたときに、照れ隠しのつもりで「それくらい、誰にでもしているよ」と、身も蓋もないことを平気で言ってしまう男性がいます。正直でまじめであることはわかりますが、これは女性にとって最悪の反応だと覚えておいてください。

女性にとって大切なのは、「自分にだけ特別に何かしてくれた、自分を評価してくれた」という物語です。「2人の絆の証し」であるはずのエピソードを「誰にでもしていること」と片付けられたら、腹が立つのは当然です。