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夢を語るあの男がみんな大好きだった……

よく言われることですが、誇大でもいいから夢を語る男性が女性は大好きです。「君と結婚できれば必ず運が向く。3年後には会社を立ち上げ、軌道に乗せるから」なんていう夢を、わりと素直に信じるのが女性です。もし3年経って実現しなかったとしても、彼が「もう少し待って。いまは時期が悪い」と夢の継続を宣言してくれれば、当面の苦労を耐えてしまうものなのです。

女性が細かく覚えているのはもちろん、「いい思い出」だけではありません。あなたのパートナーも不愉快な思い出を繰り返し口にすることがあるのではないでしょうか。そこに含まれる意図を男性はよく考えるべきです。

悪く言えば女性の愚痴や繰り言ですが、それをパートナーにぶつけるということは、「二度とあんなことは起きてほしくない」という不安心理の表明、そして安心させてほしいという気持ちの表れです。しかし、ネガティブな記憶を細かく持ち出されると、男性は「もう終わったことじゃないか」と突き放したり、適当に聞き流したりしてしまいがちです。聞こえないふりをして沈黙してしまうこともあるでしょう。

黙っていれば反撃にはならず、事態をこじらせることにはならない、と考えるのは誤りです。女性は「ないがしろにされた」と感じ、ますます愚痴を繰り返すようになるだけです。その悪いスパイラルから脱するためには「そうだね。あのときは悪かった」などと、まず反省を述べて女性の気持ちに寄り添った言葉をかけるしかありません。

私は女性でありながら男性的なものの見方をしがちであり、そのため男女間のコミュニケーションギャップが客観的に見えてきます。溝を埋めるためには、まず、男女の受け止め方の違いを知ることだと思うのです。

元テレビ東京アナウンサー 槇 徳子(まき・のりこ)
1964年、名古屋市生まれ。慶應義塾大学文学部・法学部卒業。テレビ東京アナウンサーとして経済ニュース番組などで活躍。2008年にPR会社エムシーストラテジーを設立、代表取締役。
(構成=久保田正志)
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