身の丈を越えていても選ぶべき「ベストな選択肢」

いよいよ2014年が終わろうとしています。11月の Thanksgiving Holidaysから漂いはじめたホリデーシーズンのムードはまっさかりです。

この1年をふりかえるといろんなことがありました。私にとって一番大きかったことといえば、やはり東証マザーズに上場できたことです。米国企業が単独上場するはじめてのケースです。ただただ頑張ってくれた社員と関係者の皆様には、感謝してもしきれません。

会社の上場を話題にいろんなメディアがとりあげてくださったせいか、今年は大学や大学院での講演の依頼もいただくようになりました。これからの時代を担う学生たちとの会話から学べることもあり、個人的にはとても有意義な機会だと考えています。

講演に招かれるきっかけはさまざまで、facebook経由で学生さんから「話を聞きたい」と、直接依頼をいただくこともあります。私も学生だった頃は会いたい人には会いにいっていましたので、積極的にコンタクトをしてくれる姿勢に懐かしさを感じます。会って話を聞いてみたい人がいたら 躊躇せず、まずは連絡してみてほしいと思います。

私が講演依頼を受ける理由は、自分の人生は思ってもない方向に道が開けることもありますし、自分の意思次第で人生は変えられることをこれから社会に出る学生に伝えたいからです。つい最近あった慶應義塾大学医学部の同窓会では、まさか私が会社を興して上場するなんてまったく想像が出来なかったと知人に言われました。あの頃の私は、もくもくと研究に明け暮れる生活を楽しんでいましたし、起業するとかしないとかを考えることなどありませんでした。

ただ、私には世界中の人を失明から守りたいという明確なビジョンがありました。仮説を立てて検証し、次に進むということをやっていくうちに起業という選択肢に出合ったわけです。多様な選択肢からベストを選ぶときは、出来るか出来ないかを基準にするのではなく、身の丈をはるかに越えていても目標を達成するための選択をする。これをやるかやらないかで次の選択肢も変わってきますから、医者、研究者、起業家という私のキャリアチェンジはそう真似できることではないかもしれませんが、事例としてはわかりやすいのではないでしょうか。