2014年11月7日(金)

督促OLが教える、逆ギレ客を動かす4つのコツ

お客が喜ぶひと言[4]

PRESIDENT 2013年6月3日号

著者
山川 徹 やまかわ・とおる
フリーライター

1977年、山形県生まれ。國學院大学文学部卒業。大学卒業後、フリーで執筆活動を続ける。著書に『捕るか護るか? クジラの問題』(技術評論社)などがある。

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山川 徹=文 佐藤 類=撮影
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なぜ接客にはマニュアルがつかわれるのか。ひとつの目的は「口を慣れさせる」というものだ。そして、同じ言葉を繰り返すことで、「つかい方」がわかる。「ありがとうございます」は、感謝にも皮肉にもなるのだ──。

怒らせないだけで2000億円を回収

『督促OL 修行日記』著者 榎本まみ氏

榎本まみさんは、クレジットカードなどの延滞金を電話で催促して年間2000億円の回収に成功した信販会社のコールセンターのOLである。

「ぶっ殺す!」と逆ギレされるのは当たり前。電話のノルマは、1時間に60本。ストレスから肌荒れが続き、帰宅しても洗濯する余裕がなく紙パンツを使う日々。そして多くの同僚が職場を去っていく……。そんな督促の現場をイラストとともにコミカルに描いた榎本さんの著書『督促OL 修行日記』は6万部を超えるベストセラーになっている。

入社当初から榎本さんは悩んでいた。どうしたら相手にイヤな思いをさせずにいいたいことがいえるのか、と。

「督促で電話しても誰にもよろこんでもらえません。それどころか電話に出た瞬間に気まずくなってしまって……。お金がない方は精神的に追い詰められています。ちょっとしたことで怒ってしまうので『ご入金がまだですが』とストレートにはなかなか伝えることができませんでした。しかもちょっとしたことで爆発してしまうので……」

そして榎本さんは笑ってこう続ける。「なんとか怒鳴られない方法はないかといろいろ勉強したんです。とにかく怒られたくない一心で(笑)」

「督促OL」が教える逆ギレ客を動かす4つのコツ

榎本さんはそうした体験から大きく4つの方法論を編み出したという。ひとつ目は「疑問を投げかける」。ヒントは、たまたま読んでいた論理学の本の一文にあった。<人間の脳は疑問を投げかけると、無意識にその回答を考え始める>

「返金はまだですか」とストレートに聞くのではなく「いつだったらご入金いただけますか」と問いかけるという。「『いつだったら返せるかな』とみなさん考えはじめるようなんです。『○日が給料日だから……』と質問に答えてくださった日時で約束を取り付けると入金していただける割合が増えました。しかも怒られず、角も立てずに」

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