2014年10月29日(水)

「日本人の清潔志向」にマッチして150万台売上を突破したレイコップ

「極小家電メーカー」躍進の秘密[6]

PRESIDENT 2014年9月15日号

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大手家電メーカーが軒並み苦戦を強いられている中、ごくごく小規模なメーカーが元気だ。なぜ彼らは少人数で革新的な製品を生み出し、ヒットにつなげることができたのか。その秘密に迫る。

ダニを除去して生活の質を向上

レイコップ創業者 リ・ソンジン氏
手前がスタンダードモデル「レイコップRS」。28380円(税別、メーカー希望小売価格)

ふとんクリーナー「レイコップ」は、最初からターゲットが「アレルギー患者」と明確だった製品だ。現在世界24カ国で300万台、日本国内で150万台以上の累計販売台数を誇るヒット商品になっている。

アイデアの主は内科医でもあるレイコップ・ジャパンのリ・ソンジン氏。着想を得たのは韓国の病院に勤務していたときだった。

「医師として大事なことは患者の病気予防です。当時、病院にはアレルギー患者が急増していました。アレルギーの原因として一番多いダニを除去できれば、アレルギー患者の生活の質は向上します。そこでふとんのケアができる製品がないかネットで調べてみると、当時はありませんでした。ならば私がその製品をつくろうと思ったのです」

そこでアメリカでMBAを取得し、米ジョンソン&ジョンソンでプロダクトマネジャーとしてビジネスを学んだ後、韓国に戻りふとんクリーナーづくりに着手した。

レイコップLITE●レイコップシリーズのエントリーモデル。「RS」よりひとまわり小さく、機能もシンプル。19800円(税別、メーカー希望小売価格)

レイコップはUVランプを照射しながらふとんの奥に潜むダニやハウスダストを叩き出し、2種のフィルターで極小粒子までキャッチする
「光クリーン」メカニズムを搭載する。ふとんのダニ、ハウスダスト除去に特化し、毎日手軽に使えるようにした設計に加え、大気汚染などでふとんを干しづらい環境が生じたこともヒットを後押しした。

家電ベンチャーが尖った製品を次々と世に送り出す一方、なぜ大手メーカーは革新的な製品を生み出せなくなってしまったのか。

その理由として、電機産業に詳しいアナリストの泉田良輔氏は「引き算ができない」ことを挙げる。

「大手では、要るものと要らないものが整理されていない。なぜできないかというと、引き算したアイデアを合議制であげると『こんなの売れるのか』と言われてしまい、『全部機能を盛り込んでおけば必ず誰かのアンテナに引っかかる』という話になるからだと思います」

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