2014年8月28日(木)

わが子の就活、ブラック企業を見抜く方法

PRESIDENT 2014年8月18日号

著者
大畑 伊知郎 
公認会計士

富士銀行(現・みずほ銀行)、あずさ監査法人を経て、2012年独立。著書に『日本経済を壊す会計の呪縛』など。

公認会計士 大畑伊知郎 構成=高橋晴美
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学生、またその親にとって、就職を志望する会社がブラック企業かどうかは大きな関心事である。

一般的に長時間労働、低賃金といった問題を持つ会社がブラック企業と呼ばれるが、どの程度、仕事がきついのかなどは、働く人の主観によっても異なる。そこで客観的に見る方法として挙げられるのが、有価証券報告書によるチェックである。

有価証券報告書とは、上場企業などが事業の状況や財政状態、経営成績などの財務諸表を記載、公表するもの。虚偽記載があれば罰則が与えられ、企業の信頼も損なう。金融庁のウェブサイト「EDINET」に各企業の有価証券報告書が掲載されており、誰でも閲覧できる。トップページ→書類検索→企業名入力で検索できる。

まず、社員がどんどん大量に辞めているというのは、ブラック企業の証左といえる。そこで確認したいのが、「平均勤続年数」。有価証券報告書の「従業員の状況」に記載されている。

たとえばトヨタ自動車の平均勤続年数は15.4年。出向(転籍)した人は退職扱いになるほか、中途採用が多ければ年数が短くなる。業界の特性もあるので、同業他社と比較しよう。

仕事がきついかどうかを客観的に見るためには、本来は労働生産性で比べるといいのだが、計算が複雑なので、「一人当たり売上高」を確認する。

有価証券報告書の冒頭に記載されている「主要な経営指標等の推移」の中に「売上高」と「従業員数」という項目があるので、「売上高÷従業員数」で計算。従業員数は前期との平均の数字で計算する。一人当たり売上高が大きいほど、小さな労力で多くの売り上げを得ていることになり、この数字が小さい会社ほど、より懸命に働くことが求められる。

ただし、一概にどの程度ならいいとはいえないし、業種によってもその数字は異なる。

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