2014年8月7日(木)

上場ベンチャーの「良い面、悪い面」

働き方のリアル ベンチャー篇【20】レアジョブ 山田裕一朗

PRESIDENT Online スペシャル

著者
稲泉 連 いないずみ・れん
ノンフィクション作家

稲泉 連

1979年、東京都生まれ。2005年、『ぼくもいくさに征くのだけれど』で大宅壮一ノンフィクション賞を史上最年少で受賞。その他の著書に『仕事漂流』『復興の書店』など。

執筆記事一覧

稲泉連=インタビュー・構成
1
nextpage
レアジョブ 山田裕一朗
1984年生まれ。同志社大学経済学部卒業後、三菱重工業、ボストン コンサルティング グループを経て2010年、レアジョブ入社。現在、新規事業開発部チームリーダー。

このレアジョブという会社に入って僕は5年目になります。それまでには新卒で三菱重工に入って、それから戦略コンサルのBCG(ボストンコンサルティング)に勤めた経験があるのですが、その2社にいた頃はまさか自分がスカイプを利用した英会話サービスの会社で働くとは思ってもいませんでした。

4年間という時間を振り返ってまず言えるのは、会社が大きくなっていく途上で起こる様々なこと――それを良い面も悪い面も見せてもらった、という実感があることですね。

僕が入社した4年前、レアジョブは東京の神田警察署の上に今もある「ベンチャー神田」というインキュベーションオフィスにありました。オフィスは各社ごとにパーテーションで区切ってあって、まだ社員数は10人ほど。会員数は数万人くらいだったかな。最初は警察署の上にそういう貸オフィスがあるとは思わなくて、辿り着けずに面接に遅刻しそうになったくらいでした。

僕がレアジョブに興味を持ったのは、社長のブログを読んでいたらそこに社員募集の告知があったからでした。ブログのタイトルに「戦略コンサルをやめて起業した日記」とあって、僕が朝5時くらいまで働いてついに頭がまったく働かなくなり、つらいなーって「戦略コンサル」と何となく検索したら、上から3番目くらいに出てきたんですよ。

で、昔の日記を遡っていくと、戦略コンサルに勤めていた頃の社長も朝5時くらいにブログを更新していて、僕がBCGで感じていたことと同じようなことに悩んでいたんです。なんていうか、明確な理由があったというよりは、ほとんど直感としか言いようのないものでしたね。

あとは、そうだな……。あまり人には言ってこなかった理由もあります。

僕にとってBCGでの経験は人生で初めての挫折だったんです。通用すると思っていたんだけれど、通用しなかった。

夜中の2時から4時まで上司から電話で怒鳴られて、何やってんだろうな、って自信をなくしたり。そもそも僕は夜中に頭が回らなくなってしまっていたわけですが、周囲の奴らはよくもこんなに長時間頭が動き続けるなっていう人たちで、僕がブログを読んでいる横では「バババババ」とキーボートを打つ音が聞こえそうなくらいの勢いで働いているんですよ。すげえなあ、とただただ思いましたよね。

僕には戦略コンサルでやっていく覚悟が、やっぱり足りなかったのでしょう。本当にそこまでやる奴らって、課題の答えを出すスピードが速いだけではないんです。頭が良いというのは確かにそうなのですが、この世界でのし上がってやろうという気持ちの部分が凄まじいんですよ。成長に対する投資に抵抗がない人たち。その場にいて自分が成長しているという実感が、何よりのモチベーションになる人たち。ただ、BCGで学んだことはその後めちゃめちゃ活きましたね。論理的に人を口説く術や、課題の因数分解、大きな会社との向き合い方、などなど。

PickUp