2014年8月7日(木)

震災、建て替え……それでも“タワマン”高層神話は永遠か

住み替えテクニック:マンション編【タワーマンション】

PRESIDENT 2013年4月15日号

一級建築士、碓井建築オフィス代表 碓井民朗 構成=大塚常好
1
nextpage

建物が「軽い」ので風が吹くとユラユラ

あらかじめ申し上げますが、私は超高層マンションをお勧めしません。

その最大の理由は地震です。もし、震度7クラスの巨大地震に襲われたら……。購入者にもそんな不安があるにちがいありません。現行の建築基準法ではそれに耐えうる強度を確保することを義務付けているので、手抜き工事や耐震偽装などがない限り建物の倒壊などは回避できるでしょう。しかしながら、構造上はそうでも「安心して住めるか」というと躊躇なく「はい」とはいえません。

なぜなら、揺れるからです。3.11のときも都心の超高層マンションは大変な揺れでした。それも住戸販売額が1億円超の物件も珍しくない上部の階ほどよく揺れる。

そして、建物の柱と基礎の間に板状ゴムと鉄板を何枚も重ねたアイソレーターと呼ばれる装置をつける免震構造の場合、地盤と建物が絶縁されているので、強風が吹くだけでも中層以下のマンションより揺れることがあります。超高層物件は建築素材をできるだけ軽くする構造配慮ですが、皮肉なことに、そのことが災害時でないときの揺れやすさの原因になった。つまり、揺れを吸収するしなやかさが、かえってあだとなってしまったというわけです。

ゆらゆらと船酔いのようになることが原因のひとつとなり、不眠症や倦怠感、めまいなどの不定愁訴で病院に通う人は少なくありません。専業主婦など自宅滞在時間が長い人ほどそうした症状を訴えるそうです。

地震に関してもあまり知られていませんが、東日本大震災のような長周期型地震(通常の短い周期の地震動とは異なり、約2~20秒周期で揺れる)の大地震がきた場合の耐震基準は国内ではまだ確立されていません。あまり大げさなことは言いたくありませんが、巨大地震で超高層マンションが折れる潜在的リスクはゼロではないと、私は考えています。

PickUp