人生の目標を立てているか

目標のリスト化についての項目では、興味深い結果が出た。「やりたいことリストをつくっている」と回答した人はどの年収層でも4割前後で、大きな差がなかった(図24)。一方、「やらないことを決めている」と回答した人は年収2000万円以上が31.8%、800万円台が21.6%で、10%の差がついた(図25)。やりたいことを並べるだけでは、周りと差別化しにくい。やってはいけないことを並べるブラックリスト方式のほうが、年収アップにつながりやすいのかもしれない。

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図24~図26

「人生の目的や目標を常に意識している」と回答した人は、年収2000万円以上が57.0%、800万円台が42.6%、500万円台が39.5%だった(図26)。高年収の人ほど年間目標を重視する傾向があると指摘したが、人生という長大なスパンでも同じで、高年収の人ほど目的、目標の意識が強かった。ただ、本田氏は「長期の目標はあまり立てすぎないほうがいい」という意見だ。

「今は変化が著しい時代です。新しいものが次々と生まれてくるのに、今の基準で5年10年先の目標を立てると、それに縛られて視野を狭めることになります。生き方や働き方の方向性は決めておいたほうがいいですが、目標については柔軟に考えたほうが現代的だと思います」

最後に本田氏は、忙しいと感じている人に次のようなアドバイスをしてくれた。

「仕事に縛られていると感じるのは、仕事に依存する心理の裏返しでしょう。会社員でもセルフマネジメントできている人は、たとえ仕事量が多くても、何かに縛られている気分にはなりません。時間をやりくりすることより、自立的・自主的に考えて働くことが最大の時間管理術になるのです」

本田 直之
レバレッジコンサルティング代表取締役兼CEO。明治大学卒。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得。 ベストセラーとなったレバレッジ・シリーズのほか『会社で不幸になる人、ならない人』など著書多数。
(工藤睦子=撮影)
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