朗報! あの(中高年に)人気絶大のアイドルが笑いの秘策を伝授する。これであなたも職場のアイドル間違いなし。

ビジネスマンの皆さんがお好きなのが、おやじギャグ、いわゆるダジャレです。

自分の部下だったら、「ちょっと来い。俺の話でさあ笑え」でいいとしても、自分の上司や職場のOL、初対面の取引先にいっても、大体ろくなことにはなりません。

特に困るのが、おやじギャグを披露したときの「どうだ?」という威圧感。聞いているほうは対応の仕方がわからず、ただ息苦しくなるだけ。

笑いの基本は緊張と緩和なのに、緊張、緊張、また緊張なのです。私も舞台でダジャレを使います。でも突発的に披露することはありません。話の流れの中に紛れ込ませるか、言い回しで聞かせます。

「53歳になると会社ではゴミ扱い。56歳は家でゴロゴロし、ゴムいらずに。57歳で体から粉が出て、58歳でご破算。59から63まで、ご苦労さん」

こうすると、多少重みが出てきます。

もうひとつ、笑いを取りたいとき、なるべく使わないようにしたいのが“男言葉”です。「~だな!」「~だろ?」という言葉遣いは、勇ましい印象は与えても、「偉そうだし、怖そうだな」と人の心を開くのに時間がかかってしまいます。だから私をはじめ、多くの漫談家は「~なのよ」「~なのね」といった中性的な言葉を多く使うのです。女々しいぐらいがちょうどいい。決してニューハーフになれと言っているわけではありません。

しかし、それでも男言葉やおやじギャグが言いたいという方もいらっしゃいます。気がついたときにはもう言っていたという方もいます。ですから、ウケなかったときの対処法も考えなければなりません。

私も喋りながら、「ああ、今日はつかんでない」と感じるときがあります。そういうときは、演者とお客さんの呼吸が合っていないのです。