2014年3月1日(土)

大学進学時の奨学金、わが家は利用すべき?

PRESIDENT 2014年2月17日号

著者
豊田 眞弓 とよだ・まゆみ
ファイナンシャル・プランナー、FPラウンジ ばっくすてーじ代表

経営誌や経済誌のライターを経て、1994年よりFPとして活動。オールアバウトの教育資金ガイドも務める。

ファイナンシャル・プランナー、FPラウンジ ばっくすてーじ代表 豊田眞弓 構成=村上 敬
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子どもの大学進学は、親にとって悩みのタネだ。学費のほか、住居費や生活費などを含めて4年間にかかる費用を試算すると、国立大に自宅から通う場合で約510万円、私立理系に自宅外から通う場合で約1050万円かかる。国公立か私立か、自宅か自宅外かで幅はあるが、いずれにしても普段の家計のやりくりだけでは対応が難しい額である。

そこで選択肢として浮上してくるのが奨学金の利用だ。ただ、安易に利用すると、あとで痛い目に遭いかねない。奨学金には返還不要の「給付型」と、返還義務のある「貸与型」がある。貸与型は、奨学金という名がついているものの、実質は借金。将来、子どもが返還で苦しむ可能性もある。実際、奨学金返還滞納者の1万人以上が個人信用情報機関に登録されており、社会問題になりつつある。

日本学生支援機構のケースで考えてみよう。日本学生支援機構の奨学金は貸与型で、無利子の「第一種」と有利子の「第二種」(在学中は無利子)がある。学力基準や家計基準は第一種のほうが厳しい。第二種を4年間毎月10万円、入学時増額分20万円を借り、卒業後20年かけて返還としてシミュレーションすると、返還額は月2万3115円になる(貸与利率1.00%、機関保証利用なしで計算)。

月2万円強なら問題ない、という考えは甘い。まず、いまのご時世、卒業しても正社員になれるかどうかわからない。第一種のうち認められた人なら一定の年収に達するまで返還が猶予される所得連動返還型という仕組みが利用できるが(給与取得者なら年収300万円以下、自営業は年収200万円以下が目安)、そのほかの第一種利用者や第二種利用者は、最長5年の一般猶予か、月々の返還額を半分にして、そのぶん返還期間を延長する減額返還のみ。正社員になる目途がつかなければ、これらの制度を利用しても厳しい。

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