2014年2月19日(水)

300万円台は働く妻が幸せの鍵に -年収別 幸せ実感調査【3】

PRESIDENT 2012年5月14日号

著者
山田 昌弘 やまだ・まさひろ
中央大学文学部教授

山田 昌弘1957年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。2006年「格差社会」で流行語大賞トップ10受賞。東京学芸大学教育学部教授を経て、現職。著書に『「婚活」時代』『パラサイト・シングルの時代』など多数。

中央大学文学部教授 山田昌弘 構成=山本信幸
お金があると幸せになりやすいのか? 年収300万円台~1500万円以上の人まで貯蓄額、残業の多さ、出世欲から性生活の頻度まで、仕事と家庭のさまざまな面からアンケート調査した。
調査概要/楽天リサーチの協力を得てインターネットを通じて個人年収300万円台、500万円台、800万円台、1000万円台、1500万円以上の各年収200人ずつ、計1000人より回答を得た。調査期間は2012年3月23~25日。
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図20 300万円台と1500万円以上は「働き続けたい」/図21 300万円台は結婚によって幸福度を上げられる

結婚によって幸福度が上がる傾向が最も強いのは男女ともに300万円台で、1500万円以上ではほとんど変化がない(図21)。女性の場合は未婚が既婚を少しだけ上回っているが本当に僅差のレベルである。これだけの年収を得ている女性は男性並みに仕事が面白く、未婚でも仕事面で幸福を感じているということであろうか。

妻の就労別に幸福度を見たところ(図22)、300万円台の既婚男性について顕著な差が出た。妻が専業主婦の場合は62.4点だが、働いている場合には74.0点と非常に高くなる。しかし、500万円以上の各年収層では大差がないのだ。

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図22 300万円台では、妻が働くと幸福度が急上昇/図23 将来への不安度は結婚と年収の多さで和らぐ

自分自身の年収が低い層は妻が働き、わずかでも収入を得ることができれば、世帯年収の増加率が一番大きいからと考えられる。稼ぐ妻と結婚することでこの層は幸福度をぐっと上げることができるといえるだろう。

ただし、夫の年収の多寡は夫婦関係の危機に繋がりかねないという厳しい現実もある。妻の離婚願望は、夫の年収に反比例し、年収300万円台夫の妻の40.0%が「本気で離婚を考えたことがある」(図24)に対して「あてはまる」と回答している。低年収層は家庭をメンテナンスしていないと危機を迎えるだろう。

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図24 「高収入夫」と「低収入夫の妻」は離婚を考える/図25 500万円台は平穏な生活を送る

逆に男性側から見た離婚願望は、1000万円台が最多の合計24.3%、1500万円以上も21.5%と、高年収夫のほうが強いようだ。年収が多いだけに慰謝料や養育費を請求されても払えるし、不満がある夫婦生活なら損切りしても、すぐに次のパートナーが見つかるという考えだろうか。仕事で忙しい高年収層は家庭がおろそかになっており、妻との関係がうまくいっていないという可能性もある。

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