2014年2月18日(火)

低年収ほど仕事の目的は「給料」 -年収別 幸せ実感調査【2】

PRESIDENT 2012年5月14日号

著者
山田 昌弘 やまだ・まさひろ
中央大学文学部教授

山田 昌弘1957年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。2006年「格差社会」で流行語大賞トップ10受賞。東京学芸大学教育学部教授を経て、現職。著書に『「婚活」時代』『パラサイト・シングルの時代』など多数。

中央大学文学部教授 山田昌弘 構成=山本信幸
お金があると幸せになりやすいのか? 年収300万円台~1500万円以上の人まで貯蓄額、残業の多さ、出世欲から性生活の頻度まで、仕事と家庭のさまざまな面からアンケート調査した。
調査概要/楽天リサーチの協力を得てインターネットを通じて個人年収300万円台、500万円台、800万円台、1000万円台、1500万円以上の各年収200人ずつ、計1000人より回答を得た。調査期間は2012年3月23~25日。

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図11 低年収ほど仕事の目的は「給料」

仕事に求める最大の目的(図11)を尋ねたところ、低年収ほど「給料」、高年収ほど「社会や人々へ貢献」と答える割合が多く見られた。

仕事を社会や他人に貢献し、承認を得ることの手段として考えている高年収層と、仕事はお金を稼ぐ手段と割り切り、そこでは自分が必要とされているという幸福感を得られない低年収層との違いが顕著に出ている。

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図12 仕事を頑張る800万円台の職場はストレスフル/図13 仕事を頑張る800万円台だけに、不満も多い/図14 500万円台は悩みが多い/図15 稼ぐ若手は「職場のメンバーを信頼している」/図16 1000万円台は震災後、職場への不安が募る

仕事を通じて承認と幸せを得ている年収1000万円以上の高年収層だが、彼らに不満はないのだろうか。

「震災後、社内政治がひどくなった」など(図16)職場への不満が最も多いのは1000万円台。個人の成果は自分が仕事を頑張れば挙げることができるが、職場環境やメンバーまでは変えられないことに対するもどかしさ、自分と同等の意欲と能力を持って仕事をできる人がいないことへの苛立ちだろう。

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図17 リストラ不安は薄いが、再就職できない800万円台/図18 高年収ほど自分の市場価値を高く認識している/図19 低年収ほど他人の「ふところ具合」が気になる

高年収でも一生安泰とは限らない時代においては、誰もが多少なりともリストラや再就職に対する不安を抱えている。会社のために十分働いている自負があるためか、リストラへの不安は最も低いが、再就職への自信はあまりないのが800万円台(図17)。

転職で同程度の給与を得る自信がないのか、自分の市場価値に対する評価(図18)も500万円台よりも低く、プチ高年収の800万円台の苦悩が垣間見える。

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