2014年2月3日(月)

サラリーマン「確定申告」入門、どのくらいお金が戻るか

PRESIDENT 2013年7月1日号

著者
落合 孝裕 おちあい・たかひろ
落合会計事務所 代表

落合 孝裕

税理士、CFP。横浜市立大学卒業。1996年、落合会計事務所を開設。著書に『相続と節税のキモが2時間でわかる本』。

落合会計事務所 代表 落合孝裕 構成=鈴木 工
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毎月の新聞代、スーツ代から取引先のお中元やお歳暮、英会話スクール代まで。これ全部、経費で認められ、お金が戻ってくるって本当?

キャバクラ、ゴルフも経費扱いOK

収入を増やすのが難しい昨今、せめて手元にあるお金を減らさないようにしたい。そう考えているビジネスマンにとって朗報があります。それが「特定支出控除」制度の改正です。

制度を説明する前に、税金の仕組みについて簡単におさらいしておきましょう。稼いだ分の収入から、必要経費や控除などを引いたものが所得です。この所得を基準にして、所得税や住民税などの税金が決まります。つまり経費が多くなるほど、所得が減るので納める税金も少なくてすむ。だから自営業者は、経費として申告できる領収書を集めようとするのです。

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スーツ代、本代、飲食費は経費で落とせる!

一方、会社員も取引先におごったり、スーツを買ったり、自腹で経費を使う機会があります。それなのに必要経費を申告できないのは不公平ではないか? という意見が一部でありました。しかしこの指摘は必ずしも正しいとは言えません。会社員には「給与所得控除」という控除があるからです。これは収入ごとにいくら控除されるかが定められています(表参照)。たとえ実際には使っていなくても、これだけの金額が必要経費として見なされるのです。

実はこれまでも、会社員が必要経費を申告できる「特定支出控除」の制度は存在しました。ただしそのハードルが高く、扱われるのは「給与所得控除」を超えた金額。つまり年収800万円の会社員であれば、必要経費を201万円使って初めて1万円の額が控除として認められる。くわえて対象になるのは転居費や研修費など、日常的にそれほど使わないであろう用途に限られていました。要は不公平だという批判をかわすためにつくられたような制度で、利用しているのが年間で10人にも満たなかったのです。そこで平成25年から(申告は26年から)制度が改正されました。

新しい制度は何が変わったのか。まず足切り額が、給与所得控除を超えた額から、その2分の1を超えた額へと一気に下がりました。たとえば年収800万円なら、100万円を超えることが条件になります。

さらに適用される経費の範囲も拡大しました。多くの会社員にとって嬉しいのは、よく使う図書費、衣服費、交際費が「勤務必要経費」として認められるようになったことです。たとえば図書費。仕事に関連するものなら、書籍に限らず、新聞でも雑誌でもOK。情報収集に必要という理由があればお咎めなしでしょう。

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