不妊の原因を調べたいなら専門のクリニックへ

2番目は、すでにパートナーがいて「私たちは自然妊娠ができるのだろうか」という不安をぬぐうために産婦人科へ行くケース。この場合はカップルで不妊の検査を受ける必要がある。

不妊検査とは、妊娠に関わるホルモン、生殖器などを調べるいくつかの検査の総称。こちらは、一般的な婦人科検診とは別物だと考えよう。女性が毎年きちんと婦人科検診を受けて「異常なし」と言われていたとしても、それは、妊娠力を保証するものではない。

不妊検査は、妊娠しようとしているのになかなかしなかったカップルが受ける。大体1年で8割のカップルが妊娠するので、それくらいの期間が目安になる。また、女性の年齢が30代後半もしくは40代なら、不妊治療をしている間に時間切れにならないように少し急ぐことにして、大体3~6カ月を目安にする。

ただ、妊娠できるかどうかを調べるのは、実はなかなか難しい。精液検査で明らかに精子が少ないとか、女性の卵管がどう見ても詰まっている状態ならわかりやすいが、実際は多くの人が原因はまったくわからないまま不妊治療に入っている。

このように不妊検査は難しい。だから、きちんと調べたいなら、こちらは不妊治療を専門にしている施設もしくは専門外来で受けることをおすすめしたい。

河合 蘭(かわい・らん)
出産、不妊治療、新生児医療の現場を取材してきた出産専門のジャーナリスト。自身は2児を20代出産したのち末子を37歳で高齢出産。国立大学法人東京医科歯科大学、聖路加看護大学大学院、日本赤十字社助産師学校非常勤講師。著書に『卵子老化の真実』(文春新書)、『安全なお産、安心なお産-「つながり」で築く、壊れない医療』、『助産師と産む-病院でも、助産院でも、自宅でも』 (共に岩波書店)、『未妊-「産む」と決められない』(NHK出版生活人新書)など。 http://www.kawairan.com