2014年の安倍政権はどうなるのか。豊富な政界人脈と取材力に定評のある政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏(元BS11報道局長)は、「去年1年は首相にとっての助走期間で、本格政権が始まるのは今年から」と捉える。「今年、安倍首相は何をやるのか。昔から政治家は得意分野でつまずくといわれているが、首相の次の一手によって政権の命運が決まる」。

首相の得意分野は、経済と安全保障だ。

「油断をすると得意分野で失敗して、支持率が急落するかもしれません」

ポイントは、やはり消費税が引き上げられる4月前後。

「政府は5.5兆円を支出して景気対策を行う方針だが、消費税引き上げによる景気の腰折れは不可避。しかも春闘で賃上げする企業は大手のうち2割程度に留まりそう。雇用も増えているのは非正規雇用だけ。多くの国民はアベノミクスの恩恵を実感できず、現状のままだと矛盾噴出で政権は行き詰まる可能性がある」

その意味で4月は「アベノミクスが再評価されるときになる」と鈴木氏は言う。

「アベノミクスの“第一の矢”の金融緩和の成果はあった。だが続く財政出動と経済成長戦略は問題山積。財政出動で公共事業予算をバラまけば企業は公共事業に依存して自助努力をしなくなる。一方、規制緩和はほとんど行われず、相変わらず霞が関が権限を握ったままです」

昔の土建国家への逆戻りをどう防ぐか。

「特定秘密保護法の強行採決で内閣支持率が約10%下がったことに首相はショックを受けた。だらしない野党のお陰で国会では敵なしの首相だが、国会の外に国民という最大野党がいることを思い知らされたのです。これに懲りた菅義偉官房長官は“もう一度ゼロ(原点)つまり経済中心に戻す”と話しています。そのためには徹底的な規制緩和と民間活力の活用に加え、公共事業のバラマキを抑え財政収支のバランスを取る方向に切り替えていくべき。できないなら安倍政権は国民から見放されるでしょう」

春にはオバマ大統領も来日。「安全保障が最大のテーマになるが、もし経済で失敗すると、首相の悲願である集団的自衛権の行使容認どころか憲法改正もすべて空中分解しそう」と鈴木氏。首相にとって正念場の1年が始まる。