少なすぎると「残り物」の印象

「○個限定」というPOPは人をひきつけます。ですが、ただ限定感を出すだけではもはや売れない時代です。来店頻度が低い店が限定品を扱っていたら手にとってみるものの、頻繁に通う店だと、いつ行っても「限定」と謳われた何かがあるから、今買わなきゃという気が起きないわけです。現在は「お店への来店頻度×たまたま出合った商品の限定感」という2つの掛け合わせで、より限定感が生まれる状況ができていると感じています。

効果的な「限定」とはどんなものなのか、少し詳しくお話ししましょう。たとえば、営業時間の半分が過ぎた時点で、そのお店の1日の総来店人数の20分の1ぐらいの数を「限定個数」にして販売してみるのが最適です。少なすぎても「残り物」という印象を与え、かえって売れないこともあるので気をつけましょう。

また、お店の強みである「1番」……ファーストワンやオンリーワン、中でもナンバーワンを改めて提示しているお店がお客様を集めている傾向にあります。

ナンバーワンというのは何でも構いません。日本一高い山は知っていても、2番目は誰も知らない。1番にしか興味がないのだから、逆に1番だといえることがあれば必ず出すべきです。

字が下手な人ほどいいPOPが書ける

店頭のPOPで1番効果的なのは「丁寧だけど下手な字」。「習字を習いました」というような達筆ではなく、下手でも頑張って一生懸命書いた字が、人をひきつけます。震災以降、家庭の中心である40代女性の消費行動が非常に大きく変化しました。その根本にあるのが原発の問題、食の安全が失われたことです。子どものために、より安全でより本物のものを選ぶようになった。そのような理由から、その人や物が見えるような「手書きPOP」が生きてくるのだと思います。

手書きPOPの書き方をご紹介しましょう。手書きPOPはまず市販されている筆ペンを使いましょう。どんな下手な字の人でも目立たず、かえって味が出せます。いろいろな色がありますが、1枚のPOPでは3色までにしてください。脳科学の観点からも、4色になるとどこを見てよいのかわからなくなるそうです。なお、マジックは下手さが際立つので厳禁です。