今年9月、安倍晋三首相は米ウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿。「日本が成長を続けるには、ウーマノミクスの可能性を解き放つことが至上命題である」と述べた。

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女性の就業が進めばGDPが大幅増加

ウーマノミクスとは、ゴールドマン・サックス証券のキャシー松井氏が打ち出した「Woman+Economics」の造語。女性の就労拡大を通じて男女間の就業率格差が解消すれば、日本のGDPを15%押し上げる効果があるとされている。

そもそも、“子どもを生むから就業しなくなる”は俗説であり、女性の就業率向上と出生率の上昇は比例関係にある事実がウーマノミクスの裏付けの1つとなっている。そのため、男女の就業率格差が縮まれば、それが日本のGDPに直結するとされるわけだ。

しかし、なぜいまウーマノミクスなのか。ウーマンエコノミクス総研代表の宮本直美氏は「男女雇用機会均等法が施行され30年近く経ち、これから活躍する世代は、子どものときから男女平等に『やりたいことをやる(できる)』と教わってきた世代」と世代交代の影響を指摘する。

女性の就労の阻害要因はさまざまあるが、現状は待機児童の解消施策などが急速に進められている。しかし宮本氏は「みんな待機児童など目先の問題に夢中だが、その根本的な原因は、核家族化が進み、子育てや介護を家族や地域で助け合えなくなったところにある。ちょっとした不安や悩みを誰にも相談できず、大きな問題にしてしまっている」と話す。ウーマノミクス実現には、制度や仕組みだけでなく、コミュニティの再構築も必要だ。