2013年10月5日(土)

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子供のためには、愛情をこめた手料理がいいに決まっている。わかってはいるが、忙しくて毎日、手料理とはいかないから、私たちはつい外食産業に頼ってしまう……。そこで、その弊害を女子栄養大学教授の武見ゆかり先生に聞いてみた。武見先生は、食のあり方を社会環境も含めて考察し、よりよい食習慣の形成と定着を目指す「食生態学」の研究者だ。

実際のところ、ファストフードやコンビニや中食の調理品(以下、「外食調理品」と表記)の何が問題なのだろうか?

「外食調理品は、そもそも不特定多数の人々に“満足してもらうこと”を目的につくって販売されています。そのため、どうしてもより多くの人が手にとりやすいような人気の高いメニューが多くなります。揚げ物や肉料理が中心で、野菜は少なめ。味付けは、冷めてもおいしく食べられるように濃いめです。そしてボリュームは多め。結果、多くの人にとってカロリーの取りすぎとなり、個々人に合わせた栄養バランスが良い食事とはなりにくいのです」

バランスの良い食事と比較したとき、外食調理品で過剰摂取となるのは食塩と脂肪。この2つを取りすぎると高血圧や脂質異常症となり、「動脈硬化」を招きやすくなる。

厚生労働省の調査によると、2008年の日本人の死因の1位はがん、2位は心疾患、3位は脳血管疾患だ。動脈硬化は、この死因の2位と3位を引き起こす主な要因となっている。つまり、日本人が食事で最も控えないといけない食塩と脂肪を取りすぎてしまうことが大問題なのだ。

逆に、外食調理品で絶対的に不足するのが、野菜からの摂取が期待される食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素。食物繊維は余分なコレステロールなどの吸収を妨げ、体外に排出する働きがある。生活習慣病予防にもつながるといわれている。

ビタミンの中でも野菜にとくに多く含まれるのがビタミンAとC。ビタミンAは細胞分裂を助ける働きがあり、不足すると成長障害を引き起こす。また、ビタミンCはコラーゲンの生成を助ける働きを持つ。丈夫な血管や筋肉、皮膚などをつくるにはコラーゲンが不可欠で、どちらも成長期の子供には欠かせない栄養素。

成長に欠かせないミネラルの代表選手としては、骨や歯などを形成するカルシウムがある。しかし外食、とくに加工食品には、カルシウムの吸収を阻害するリンなどの食品添加物が使われている場合が多い。

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