「付箋と土日欄」フル活用

<strong>廣瀬智子●</strong>みずほ銀行池袋西口支店個人営業課フィナンシャルコンサルタント。1983年、東京都生まれ。立教大学経済学部卒。2006年、みずほ銀行入行。富裕層向けの個人運用資産収益が3年間で4倍に。
廣瀬智子●みずほ銀行池袋西口支店個人営業課フィナンシャルコンサルタント。1983年、東京都生まれ。立教大学経済学部卒。2006年、みずほ銀行入行。富裕層向けの個人運用資産収益が3年間で4倍に。

「月日の朝、手帳がぎっしり埋まっていると、とってもやる気が出るんですよ」

みずほ銀行のフィナンシャルコンサルタント・廣瀬智子さんは3冊の手帳を並べながら語る。本格的に現場に出始めた入社2年目から手帳を活用し始めた。1冊目はただ予定が記されているだけだが、3年たった今、大きな進化を遂げている。

週間スケジュール欄を開くと、左側にずらりと書き込まれたアポ予定の下に、数桁の番号が並んでいる。

「行員にしかわからないお客さま番号です。端末に入力すると情報が瞬時に取り出せるので、外出先から支店に照会する際に便利なんです」。情報紛失を防ぐため、各種資料が原則として持ち出せない状況下で効率的に仕事をするための工夫だ。

以前は空欄にしていた土日欄も今はフル活用だ。土曜欄には本部のコールセンターから還元された運用セールス情報を書き込み、翌日すぐフォローの電話をしてニーズの有無を判断する。日曜欄は退職金など大口振り込み情報を記入。入金のお礼を言った後、すぐ運用法を提案することで成約に結びつくことも多い。

右側のメモ欄には色違いの付箋が並ぶ。

「毎週金曜日に、翌週の業務内容を書いた『週間行動計画表』を上司に提出するんですが、やらなければならないタスクを付箋に書いて貼ります。白はできたらやること、ピンクは絶対にやらなくてはいけないことです」

毎朝、その日にやるべき分はパソコンに貼りかえる。終了したら捨て、終わらなかった分は手帳に貼り直す。付箋を下から剥がしていきながら、空いたスペースに気づいたことや情報をメモする。週末までに付箋を減らすよう自分を追い込み、前倒しで仕事を進めていくのだ。

顧客配布用手帳を使っていた1年目から、2年目(写真左)、3年目(中央)と進化し、4年目(右)の現在は、こだわりを知る後輩からプレゼントされたデルフォニックスのものを使っている。
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顧客配布用手帳を使っていた1年目から、2年目(写真左)、3年目(中央)と進化し、4年目(右)の現在は、こだわりを知る後輩からプレゼントされたデルフォニックスのものを使っている。

「ピンクの付箋はレッドカード。できるだけ増やさないよう頑張っています」

一方、月間スケジュール欄は定期預金の満期日管理に活用。翌月に満期日が来る顧客を、毎月手帳に書き写している。

「アポなしでお客さまのところに伺ったときにも役立ちます。『そろそろ満期よね?』と言われると『帰社して正確なお日にちを確認します』という反応になりがち。でも私はぱっと手帳を見て『来週ですね』といち早く反応できるんです」

後半のメモ欄も余さず活用。たとえば、外貨預金をしている顧客のスタート時のレートを貼っておく。昨年の金融危機時のように相場が急に大きく動いたとき、不安に思う顧客にすぐ伝えるためだ。一歩ぬきんでたアクションの繰り返しが、ゆるぎない信頼を生むのだろう。

「あの銀行ってどこにあったかしら」などと他行について聞かれたときもメモし、すぐに調べて電話するという廣瀬さん。

「『そんなことまで覚えててくれたのね!』と本当に喜んでくださいます」

廣瀬さんの顧客は、60代以上の富裕層が主。誰もがネットを使いこなせる世代でないからこそ、濃やかな気遣いが心をつかむ。手帳の進化とともに廣瀬さんの業績も右肩上がりに伸びていき、気がつけば4倍になっていた。