経営に、資金繰りに行き詰まり、自ら命を絶つ。残念ながら、これはけっして珍しい話ではありません。だがその多くは、正しい知識があれば救えたかもしれない命なのです。
「会社のたたみ方」のプロフェッショナルに、その知識を学ぶ。それが、この連載のテーマです。
あなた自身は会社を経営していなくても、勤め先のボスが、取引先の社長が、もしかすると実家のお父さんが、今、たった一人で「命の危機」を迎えているかもしれません。
この連載であなたが学ぶ知識が、そのピンチを救うのです。

社長、会社が死んでも、あなたは死にません

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経営者が自殺する理由

毎年、年間3万人近くが自殺し、特に60歳以上は1万人超が亡くなっています。会社借入に個人保証をつけた経営者が、会社の破綻とともに個人財産をも失い、失望した末に自ら命を絶つ、というケースをよく耳にします。

たしかに会社を潰すことは大きな問題があり、大きなストレスがかかりますが、社長の命までとられるわけではありません。ほとんどの経営者は、会社破綻後も経営者の生活再建が放棄されるわけではないという事実もご存知ないと思います。まずは事実を知ってください。会社が死んでも、あなたは死なないのです。まずは、会社が死んだあとに何が起こるのか、正確に知ってください。その上で、余計に状況を悪化させないような早めの対応を採り、間違っても自ら命を絶つようなことを避けてください。

破産するには100万円はかかる

「会社が死ぬ」場合に、よく「破産する」と言います。「破産」は法的に会社の債務を整理することです。「破産」という響きのあまりの悪さに、「破産だけは避けたい」と経営者は十中八九、おっしゃいます。しかしながら、破産をするにもお金がかかるということをご存知ない方は多いのではないでしょうか。破産手続を取ることが可能な会社・経営者はまだマシな方で、本当に悲惨な経営者は破産手続すらとることができないのです。その一番多い理由がお金の問題です。裁判所へ納める予納金や弁護士費用など、破産手続のために必要とされる金額は、最低でもざっと100万円はかかると思っていただいたほうが良いと思います。