8月8日、それまで駐フランス大使だった小松一郎氏が内閣法制局長官に決まった。小松氏は、外務省有数の国際法のエキスパートで、同時に集団的自衛権の行使は日本国憲法9条に違背するという法制局の伝統的見解に、早くから反対を唱えてきた人物だ。安倍晋三総理としては力強い「同志」を閣内に得た形である。
とはいえ、私の見るところ、集団的自衛権と憲法との整合性という問題は、急速にその重要性を失いつつある。というのも、財政危機、さらには経済の弱体化に苦しむ米国としては、戦争を行うことは是非とも避けたいし、まして自国の死活的利害と直接関係のない戦争には、絶対に巻き込まれたくないからである。
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