6月に開催された主要国首脳会議(G8サミット)で対策に向けたルールづくりが合意されるなど、グローバル企業による租税回避が問題になっている。租税回避は何らかの方法で税の負担を軽くする1つの類型だ。

日本国憲法は84条で立法によらなければ課税はできないという、「租税法律主義」を定めている。つまり、法律に基づいて課税が行われるということだ。

もちろん、その法律に反する行為は「脱税」となる。ただし納税者は、その負担をなるべく軽くしたいと考えるのが常で、法律に従いつつ条文が想定する常識の範囲内で税負担を軽くする行為を「節税」と呼ぶ。そして、形式上法律には従っているものの、条文の想定する常識の範囲から外れた、いわゆる“グレーゾーン”の行為が租税回避なのだ。

いいかえると、それは社会通念に照らし合わせてみて不自然なことである。祖父が孫を養子にしたり、相続人を増やして基礎控除を多くするために養子縁組をしたりすることなどは、以前から議論の対象となってきた。これによって相続税などを低くしようとするのは、場合によっては課税の公平性を害するとも考えられてきたのだ。

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グローバル企業による租税回避のカラクリ

最近話題になっている租税回避は、税率の低い国に子会社をおき、そこに利益を集めて税負担を軽くするというもの。

たとえば、税率が高いA国にある本社が、税率の低いB国にある子会社に製品を原価に近い価格で販売する。次にB国の子会社は税率の高いC国の孫会社に利益を乗せた高い価格で製品を売る。製品を安く売ったA国の本社、高く買ったC国の孫会社は利益が抑えられ、高い税率でも税負担が小さくなる。一方、B国の子会社は高い利益を挙げているものの、税率が低いので税負担は小さくなるというカラクリだ。