大胆かつ繊細、未来志向、自分は運がいいと考えている。お金に愛される人だけが知るルールがある。ここでは、アジアを活躍の舞台に選んだ5人を事例に、黄金法則を確認しよう。普通のビジネスマンだった彼らは、どのように考え、行動して、成功への階段を上がったのか。
リーダーズアカデミー学長 
嶋津良智氏

人材育成や企業研修を行うだけでなく、ベストセラー作家としての顔も持つ嶋津良智。現在はシンガポールを拠点に、現地と日本と往復しつつビジネスを行っている。キャリアのスタートはOA機器の営業だ。

「営業の仕事は大嫌いだったんです。ただ、最初に内定をくれたところに入ろうと思って就職活動していたら、それがバリバリの営業の会社でした。同じ支社に配属された14人が、連休明けに7人になっていました。

でも、辞めるという発想にはなりませんでした。典型的なサラリーマン家庭に育ったので、縁があって入った会社にはずっと勤めるものだと、頭のどこかで思っていました。

ただ、営業が嫌だという気持ちは変わりません。ところが見回したら、1人だけ営業していない人がいた。支社長でした。偉くなれば営業しなくていい。そう気づいた瞬間、営業の仕事が昇進というゲームに変わりました。

でも、あの時期に営業の仕事を一生懸命にやってよかった。僕の場合、本能的なコミュニケーシヨン能力は営業で鍛えられました。自分が本当にやりたいことを若いうちに見つけられる人は少ない。僕も含めて多くの人は、やりたくないことにも正面からぶち当たって泥水をすするという経験を重ねながら、ようやく何かに出合えるのだと思います」