言うことを聞かない子どもにどう対応するべきか。児童精神科医のさわさんは「親が子どもを思い通りに動かすのは難しい。命令や指示でコントロールするのではなく、対話をすることが大切だ」という――。

※本稿は、精神科医さわ『児童精神科医が「子育てが不安なお母さん」に伝えたい 子どもが本当に思っていること』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

居間で息子を叱る母親
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ため息、しかめ面…親の一挙手一投足に子どもは敏感

親が否定的な言葉を使ったり、感情的に怒鳴ったりすることが、子どもにとってよくない影響を与えます。親の表情やしぐさ、態度などに敏感に反応する子どもも少なくありません。

とくに小学校高学年から中学生というのは、自分がまわりからどう見られているかが気になってくる時期です。そのときに一番近くにいる親が自分のことをどう思っているのか、どう評価しているのかを気にして、親の一挙手一投足に敏感になっている子も多いです。

たとえば、親が自分を見て深くため息をついたり、しかめ面をしたり、無視をしたり、頭を抱えたりするたびに、自分の存在価値が揺らぐように感じてしまうのです。

とくにクリニックに来る子どもたちの中には、「こんな自分は親にあきれられているのかな……」と親からの評価を気にしている子もいます。