カレー、鶏のからあげ、ハンバーグ…昭和の子供たちは肉が大好き
実際、昭和10~15年生まれくらいから、小さい人がすごく減ってきました。
それまでの日本人の身長は、男性で150cm台が普通でしたが、脱脂粉乳を摂るようになってから身長が伸び始めたのです。
たんぱく質が重要であることがわかってから、日本人も肉を積極的に食べるようになってきました。
昭和(昭和24~53年。1949~78年)生まれの「小学生が好きな食べ物ランキング」というのがあるのですが、ベスト3は1位から、カレーライス、鶏のからあげ、ハンバーグとなっています。
昭和の子どもたちも肉が大好きだったのです。
家庭での肉食があたりまえになってくると、日本人の平均身長はどんどん伸びていきました。
私が生まれた頃(60年、昭和35年)からは、男子は170cmくらいになりました。
その後も肉食がずっと続いていれば、今頃は日本人も欧米人と同じくらいの平均身長になっていたかもしれません。
昭和50年代から肉を増やすのをやめた
ところが、75年(昭和50年)くらいから、身長の伸びも頭打ちになってきました。それは決して、栄養状態がピークに達したからではありません。
同じ頃に言われ出したのが「肉の食べすぎは体によくない」でした。肉を摂りすぎると、心臓や血管にダメージを与えると言われるようになってきたからです。
そこから、「肉は減らそう」と言われるようになってきたのです。この根拠とされたのが、アメリカでの研究でした。
その頃のアメリカ人の食生活というと、300g以上の牛ステーキを平気でペロリと平らげているような時代です。
それに対し、日本人は1日70gぐらいしか肉を食べていません。私に言わせれば、むしろ日本人はもっと肉は食べないといけなかったのです。
それなのに、日本の医者たちも、「アメリカの医学の最新研究が肉を減らせといっているんだから、日本人も減らすべきだ」と言い始めたので、もうそれ以上、食べる肉の量が増えることはあまりなくなってしまいました。
今も変わっていませんが、日本ではアメリカ医学は何でも正しいということになっています。日本の医学は、いまだにアメリカ礼賛なのです。