年を重ねても若々しくいるにはどうすればいいか。医師の和田秀樹さんは「何歳になっても無邪気に子どものような好奇心を持つのは、見た目の若さにつながる。大人なら精神年齢を上げなければいけないという強迫観念はそもそも不要である。教授や社長になると老け込むのは、精神年齢が一気に上がって、肩書きにともなうくだらない風格を早々と身につけてしまうからだ」という――。
※本稿は、和田秀樹『60代からの見た目の壁』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。
出世すると年齢より老けて見える
医者の世界では、不思議なことに、若くして教授になった人ほど老け込んで見える、という印象があります。
50歳前後で教授とか、もっと若ければ40代で教授になる人もいますが、教授になってから、急速に老け込んでくるような気がするのです。
教授になると自分より年上の医者も部下になります。そういうベテランの医者を目下に扱っているから、老けて見えるのかもしれません。
一般の企業でも同じようなことがあるのではないでしょうか。40代で社長になったら、やっぱり実年齢より老けて見えるような気がします。
これは『老害の壁』(エクスナレッジ)にも書いたことですが、アメリカでは日本のように社員が社長のことを「社長」と呼ぶことはありません。
アメリカを代表する大手テクノロジー企業の社長であったスティーブ・ジョブズ(アップルの創業者の1人)やビル・ゲイツ(マイクロソフトの創業者の1人)も、社内では「スティーブ」や「ビル」のようにファーストネームで呼ばれていました。
スティーブ・ジョブズは56歳で亡くなりましたが、晩年でも若々しい姿を見せてくれました。ビル・ゲイツ(55年生まれ)も70歳近いのに、実年齢よりも若々しく見えます。
2人とも会社を創業したのは20代、30代ですが、社長になったからといって老けて見えるようなことはなかったと思います。