コロナ医療最前線を経験しダイエットを決意
――痩せようと思ったきっかけを教えてください。
ダイエット前は身長156cmで体重が78kgありました。ただ、健康診断ではBMIが引っかかるくらいで、太っていることに危機感がなかったんです。看護師として働いているんですが、夜勤のようなハードな環境でも息苦しさや動き辛さも感じないし、逆に丸みのある体型や元気なキャラクターで患者さんに安心感を感じてもらえるし、このままでいいかと考えていました。
でも、コロナ禍で救命病棟に勤務するようになり、回復する患者さんがいる中で、肥満の患者さんは悪化してしまうケースも多く……。そんな光景を目の当たりにし、改めて「肥満は万病の元なんだ」と恐怖を感じました。
――大変な状況でしたね。コロナ禍の医療最前線の現場にいらしたんですね。
はい。人工呼吸器に繋がれている肥満の患者さんの看護には、多くの人手が必要です。患者さんのカラダを支えて看護すると、80kgってこんなに重たいんだ、と感じて。今の自分の体重だと、何かあった際に人に迷惑をかけてしまうかもしれないと思いました。
そんなコロナ医療現場での出来事がきっかけとなり、ダイエットを決意しました。
――ダイエット前にカラダに不調を感じることはありましたか?
とにかく疲れやすかったですね。そして疲れがなかなか抜けないので、夜勤後はずっと寝ていたり、しょっちゅうマッサージに行ったりしていました。
ダイエットに成功するもカラダは絶不調に
――ダイエットの内容を教えてください。
専門家の指導を受けてファスティングを行いました。
初日は丸1日食事を抜いて、翌日は朝に野菜ジュース、昼にボウル1杯のサラダ、夜は根菜の煮物や豆腐などの植物性たんぱく質とご飯を食べます。3日目以降はご飯、味噌汁、野菜のような献立になり、4日目以降は通常の食事に戻るサイクルでした。それを2週間に一度実施します。
――ストイックな内容ですね。お仕事中も続けられたんですか?
仕事中もやっていましたね。夜勤明けって元々疲れて帰宅して寝るので、自然と1日ご飯を食べない生活だったんです。なので夜勤はファスティングと相性が良かったのかもしれません。ファスティングを1年半続けた結果、32kg痩せました。
――32kg!かなり痩せられましたね。
ダイエットに成功したのは嬉しかったのですが、30kg痩せるとカラダのバランスがおかしくなってしまい……。元々巻き肩でストレートネックな上、反り腰もあって姿勢が悪かったんです。さらに体重が大幅に減ったことでカラダの軸が安定せず、腰を痛めてしまいました。体調も良くなく、せっかく痩せたのに健康的とは言えなかったですね。
――大幅なダイエットで不調が出てしまったんですね。
そうなんです。目指していた健康的なカラダとは真逆になってしまいました。
そこで今度は姿勢やカラダのバランスを直そうと筋トレに励み、月に1回パーソナルジムでトレーナーに指導してもらいました。ほかの日も、自分でジムに通って筋トレのメニューをこなしました。同じタイミングで改めて食事を見直し、あすけんで食事記録を始めました。
ただ痩せればいいということではない
――ダイエット成功後にあすけんを使い始めたんですね。
体調不良もあり痩せすぎてしまったと感じたので、あすけんで栄養バランスを見ながら健康管理をしようと思い使い始めました。
――記録して感じたことはありますか?
PFCバランスを適正にするのが難しいと感じました。今までの食事ではたんぱく質が不足していることや、脂質っていろんな食べ物に入っていて、気をつけているつもりでも取り過ぎるなとか。記録してみてわかったことが多く、勉強になりました。それまではあまり栄養バランスを考えていなかったので、ただ痩せればいいってものでもないのだなと。
それに、これまで良かれと思って職場の後輩たちにチョコレートを配ってたんですけど、脂質量を知ると、ありがた迷惑だったかな?と反省しました(笑)。そういうことも食事記録をつけて初めて気づきましたね。
――食事記録をつけてみないとわからないことは多いですよね。
記録してみて、野菜のカロリーの少なさや栄養バランスの良さにも驚きました。「レタスって3kcalしかないの?」って(笑)。それからは野菜をよく食べるようになりました。知っているようで、知らないことが多かったです。
――ほかに参考になったことはありますか?
あすけんユーザーさんの日記を参考にしていました。他の人がどんなものを食べているのかがわかるので、食事のヒントになって便利でした。自分でも日記をつけて、週末に出かけて食べたものや、たわいのない仕事のことなどを記録し、見返して楽しんでいました。
ケーキ爆食いもOK! 1週間単位で調整
――現在の主な食事内容を教えてください。
朝は体質的にあまり食べられないので簡単に済ませ、昼と夜をしっかりと食べます。内容はそこまで気にせず、基本的には食べたいものを食べています。ただ、以前はパンやうどんを3食食べるほど小麦が好きでしたが、今は小麦よりお米を食べるようになりました。
たんぱく質は鶏肉で摂ることが多いですね。主人と息子が筋トレガチ勢で、毎日のように鶏むね肉を食べるんですよ(笑)。だから自宅には常に鶏むね肉を常備しています。
夜勤明けで料理が作れない時は、ストックしている栄養バランスが考えられた冷凍弁当を活用しています。間食したい時は焼き芋を食べることが多いですが、夜遅くはなるべく食べないように気をつけています。
――冷凍弁当を活用するなどして、上手に食事管理されていますね。
疲れたり忙しい時は便利なものを使って無理せずやっていますね。でも週末はケーキを10個くらい食べちゃう時もあります(笑)。
――そういう時もあるんですね!
ありますあります! 月に1度、全国のホテルに宿泊できるサービスを使って娘と出かけるのが趣味なんです。そういう時は、「後悔するまい!」とホテルのバイキングでショーケースの端から端まで好きなケーキを頼んで、思いっきり楽しみます。食べた後は一時的に太りますが、食事管理を続けているので、1週間もあれば元の体重に戻りますね。
――メリハリのある食生活ですね。夜勤のある時はどうしていますか?
夜勤中は忙しくて食べる時間があまりないんですよ。でも深夜になってくると、口を動かさないと眠気に襲われるので、そういう時は羊羹などを食べたりもします。
あとはあすけんで栄養素グラフを見返して、炭水化物が足りなかったらお茶漬けを食べたり、たんぱく質が足りなかったらプロテインを飲んだりと、帰宅してから調整しています。
――夜勤など仕事の時間が不規則な方は食事管理が難しいのではないかと思いますが、コツはありますか?
自分が食べたものを記録することが何より大事だと思います。レコーディングって最初は「書くだけで本当に効果があるのかな?」と思っていたのですが、記録することで客観視できるじゃないですか。
無意識のうちに夜勤中ちょこちょこ間食していたなとか、炭水化物ばっかり食べているなとか、自分の行動を振り返れますよね。それがすごく重要だと実感しました。
あすけんは写真を撮っておけばあとから記録もできるし、2食入れてPFCバランスを見て足りないものを確認したりもできるし。記録を続けることで、体型も体調も良い状態に保てているのだと思います。
――過酷なお仕事と健康管理を見事両立されていますね!
いやいやいや……そもそも患者さんの健康指導をする看護師が太っていたことが良くなかったと反省しています。コロナ禍での経験がきっかけとなりダイエットを始めましたが、本当に良かったです。
今が一番元気! 4kg増えてベスト体重に
――あすけんを使い始めてから、体調面はどう変化しましたか?
栄養バランスを整え、筋トレで筋肉量がアップしたこともあり、体重は4kgほど増えて50kgをキープしています。不調を感じることもなく毎日元気に過ごせているので、自分のベスト体重なのかなと思っています。減量後に悩んでいた腰の痛みもなくなりました。
痩せて動きやすくなって行動量が増えたので、周りからは「ダイエット前よりアクティブになったね」と言われます。
――体型が変わって嬉しかったことはありますか?
どんな洋服も着られるようになったのは嬉しかったですね。「私ってこんな服も似合うんだ」とか新しい発見がありました。まぁ、でも太っていた時も好きな服着てたからあんまり変わらない気もしますが(笑)。
――最後に、中村さんのこれからの目標について教えてください。
今とても健康的に過ごせているので、体重はこのまま50kgをキープしたいですね。私も痩せるまで知らなかったんですけど、一般的な400mL献血って体重が50kgないとできないんですよ(※)。職業柄、輸血をする機会が多いので、自分が献血できるカラダでありたいなと思っています。
あと、フラダンスを習っているのですが、夜勤がない時はズンバとクラシックバレエにも通い始めました。これからも興味のあることに挑戦していきたいです。
※全血採血で1回の採血量が400mLの場合、体重は50kg以上の基準が設けられている。日本赤十字社 webサイト 献血方法別の献血基準
――いきいきとしていらして素敵です!
常に動き続けてるので、マグロみたいですよね(笑)。コロナ禍で人生はいつ終わってもおかしくないんだということを実感し、「やりたいことは今やらないと」と思うようになりました。それに、50歳を過ぎてから、より自分の興味のあることに挑戦したいという気持ちが出てきました!
これからも健康を維持しながら、好きなことを続けていきたいです。
※本記事は個人の経験に基づいた内容になります。食事管理や運動は自身の体調を考慮して行ってください