脂肪のつき方が若い頃と全然違う!衝撃を受けた50代の太り方
――痩せようと思ったきっかけを教えてください。
40代を過ぎた頃から少しずつ体重が増え、体型が変わってきていたことに気づいていました。当時の口癖は「ダイエットは明日から」。そんな“ダイエットするする詐欺”を繰り返す日々を送っていました。
そこでコロナ禍がやってきて、これまでやっていた仕事がほとんどなくなってしまったんです。巣ごもり生活を余儀なくされる中、これといってやることもなくストレスがたまる一方。そのストレスを食べる方に向けてしまい、朝から菓子パン、昼にカップラーメン、夜に揚げ物とビール、と1日中好きなものを思いっきり食べまくるという生活で2年間過ごしていました。気づいたら体重が7kg増えて、自分のカラダを見たある日「これは相当まずいな……」とダイエットを決意しました。
――7kg増えて見た目はどう変化しましたか?
若い頃と比べて、脂肪のつき方が全然違うなと感じました。私の場合、垂れた四角いお尻、腰周りや肩周りについた謎の肉……カラダ全体が重力に負けて、完全な“おばちゃん体型”になりました。「50代で太ると人間ってこんなに変わってしまうのか……!」と衝撃を受けましたね(笑)。
――ダイエットの具体的な内容を教えてください。
実は以前にもあすけんでカロリー計算をして痩せたことがあり、その経験から食事をコントロールしない限りダイエットは成功しないと思っていました。ダイエットは食事9割・運動1割と言いますが、私の場合は食事8割・運動2割とし、今回もまずはあすけんでカロリーとPFCバランスを把握し、運動も取り入れる「ザ・王道ダイエット」から始めました。
――ダイエット中はどんな食事をしていましたか?
ダイエット開始時は1日の総カロリーを約1,300~1,400kcal、たんぱく質を60~80g、脂質40~50g、炭水化物を150~160gに設定しました。それに合わせて毎日の食事をバランスよく食べるということを意識し、運動もしていたのでプロテインも摂り入れていました。
朝はご飯や納豆、卵、野菜、昼はご飯と鶏むね肉や魚、野菜など。夜はそれまでよく食べていた揚げ物を減らし、焼く、煮るなど調理方法を変えました。
1食あたりのたんぱく質を最低でも20g摂るように心がけて、脂質の量はかなり気をつけました。炭水化物もしっかり摂るようにして、大好きなビールは350ml1本に減らしました。
――ダイエット中もお酒は続けられたんですね。
そうですね、お酒は大好きなので全くやめることはしませんでした。ルールを細かく決めすぎてダイエットをすると疲れて続かないと思ったので、ある程度は決めても辛すぎることはやらないようにしたんです。だから好きなお酒は飲むし、おやつも食べるし、食べたい時には設定したカロリー内で好きに食べるようにしていました。
太る原因を1つずつ潰すことでカラダに変化が
――若い頃のダイエットと比較して意識した点はありますか?
若い頃はカロリーだけに気をつけていましたが、今回はPFCバランスをしっかりチェックして、特に脂質を抑えることを意識しました。
あすけんで食事記録して栄養バランスを確認すると、毎回オーバーするのが脂質だったんです。そこで、メニューや食材を見直して脂質がオーバーする原因を探り、それに代わる食材を選ぶようにしていきました。
――具体的にどのような食材を取り入れましたか?
ベーコンやウインナーは基本的に脂質が多いので控え、これまで良く食べていた総菜パンや菓子パンを、フランスパンやベーグルなどのシンプルなものに変えました。揚げる調理法もオーバーする原因とわかったので、揚げずに焼くことでかなり脂質を抑えられるようになりました。
他にも飲み物も原因のひとつで、以前はカフェラテを良く飲んでいたのですが、牛乳は意外と脂質もカロリーが高いということに気づいてからはアーモンドミルクで代用することにしました。乳製品は脂質が少なくたんぱく質が多いギリシャヨーグルトで摂っています。
おやつにも気をつけるようになりましたね。以前はケーキやスナック菓子が好きでよく食べていたのですが、これを和菓子中心に食べるようにしました。とは言え、脂質の下げ過ぎはホルモンバランスにも影響してしまうので、あすけんを活用して1日40~50gは摂ることも意識しました。
――どうしてもケーキが食べたくなる時はありませんでしたか?
始めのうちはもちろん食べたいと思う時もありましたが「これは私には関係のない食べものだ!」と自分自身に言い聞かせるようにしました。意外なもので、慣れてくると食べなくても大丈夫になりました。
自分が太る原因を1つ1つ潰していくことで体重に変化が出たので、私の場合「脂質を抑えられたらダイエットは勝ちなんだ」と気づくことができましたね。
ダイエットはロールプレイングゲーム!考え方1つで停滞期を打破
――ダイエットの経過はいかがでしたか?
57.4kgあった体重が最初の3カ月で5kg落ちました。でもその後は停滞期がきて、体重に変化のない期間が半年続きました。
――半年は長いですね。どのようにして停滞期を乗り越えましたか?
「どうせやるなら筋トレを本気でやろう!」とジムに行き、初めてパーソナルトレーナーから指導を受けました。その後は週4で地道に筋トレを行いました。
「頑張っているのに何で痩せないんだろう?」とパーソナルトレーナーに相談したところ、摂取カロリーの減らしすぎで代謝が悪くなったことが停滞期の原因だとわかって。それからは減らしていたお米を食べるようにし、引き続き脂質に気をつけながら筋トレを続けたら、最終的に1年で48kgまで体重が落ちました。
――週4のジム通いはかなりストイックですね!
当時は時間があったからできただけなんですよね(笑)。周りの方にも「私のダイエットは一例なので、あくまでも参考にしてもらえたら。自分のペースや方法で」ということでお伝えしています。
――停滞期中にモチベーションを保つのは大変だったかと思いますが、何かコツはありますか?
50代の脂肪はなかなか手ごわく、落ち込むこともありました。ですが、それから少しして「ダイエットはロールプレイングゲーム(RPG)だ!」と思考を変えて、モチベーションを保つコツをつかんだんです。
子どもの頃を思い返せば、ロールプレイングゲームって何日も何日も時間をかけてやっとクリアしていたなと。そこで考えたことは、「私は今“脂肪”という名の敵を倒すために、フィールドを歩いてパワーを蓄えている最中なのだ。アイテムを増やしレベルを上げ、ラスボスを倒す。そう、私は勇者!」のような謎の思考に変えたんです(笑)。
さらに、あすけんは「カロリーを抑えてPFCバランスを整える」という課題をクリアして点数を上げていく、パズルゲームだと思ったら続けるのが楽しくなりました!なかなか満点にはならないですけどね(笑)。でもそうやって気持ちを奮い立たせて、ダイエットを継続しました。
――50代でダイエットに成功した秘訣はありますか?
ダイエットは年齢問わず行うことは一緒だと思います。年齢が上がると基礎代謝が落ちると言われていますが、実は年齢で落ちる代謝は平均で約130キロkcalほど。そこまで痩せにくさに影響はないと思います。
それよりも年齢を重ねると、単純にカラダを動かす機会が減っていることの方が問題だと思います。私も毎日だらだらして動かずに食べてばっかりいたので、運動量を増やして食べ方を変えたことで体重が落ちました。
"ダイエットするする詐欺"からの卒業で進化する50代を目指す
――痩せて見た目や体調に変化はありましたか?
カラダが軽くなり、肌つやがよくなりましたね。以前ほどシミが目立たず、ハリも出たと思います。体調も疲れにくくなり、以前に違和感があった膝の痛みが出なくなりました。
一番大きな変化は、筋トレを習慣にしたことで、食べても太りにくいカラダになりました! たとえ増えても自分で原因がわかるので、最近は1カ月もあれば戻せます。
――食べても太らないなんて理想的です! 最強のカラダですね。
そうですね、最強のカラダをさらに目指していきたいですね。最近では「更年期世代の希望の星を目指す女」というような、新しいモチベーションアップワードで進化する50代を目指しています(笑)。
――ダイエットを途中で辞めたくなったことはありませんでしたか?
それが意外にないんですよね。ダイエットするする詐欺からいい加減卒業したかったし、これが人生最後のダイエットだと思いたかったので、やめるという選択肢がなかったというか…。
もちろん、どうしても運動をやりたくない日もありますよ! そういうときは、その日休んでも次の週は必ずやるようにしています。
甘いものが食べたいときや食欲が止まらないときなどは我慢せず食べますが、食べても自分に幻滅せず、1週間単位で調整することを心がけています。あすけんで食事記録を続けることで、何を食べたら太るのかがある程度把握できるので、体重管理がしやすくなりました。
50代のダイエットは結果が出るまでに時間はかかりますが、継続すれば必ずカラダを変えることはできます。
――ダイエットを通じて、肉体も精神もたくましく進化を遂げられましたね!
まだ進化途中ですけどね! 最近は私と同じように「年齢を重ねて痩せにくくなった」と悩む40、50代に向けて、自分の経験をもとに、ダイエットに関する正しい知識などをYouTubeでどんどん発信してきたいなと思っています。動画を見て、元気になってもらえたら嬉しいですね。
また、筋トレの魅力をもっと学ぶためにパーソナルトレーナーの資格を取ろうと勉強中です。人生100年時代と言われていますから、自分自身がいつまでも元気で動けるように健康なカラダづくりを続けていきたいですね。
※本記事は個人の経験に基づいた内容になります。食事管理や運動は自身の体調を考慮して行ってください